さみわん

エイリアン:ロムルスのさみわんのレビュー・感想・評価

エイリアン:ロムルス(2024年製作の映画)
5.0
今日は幸せを噛み締めた。
本作の公開を知ってから数ヶ月。予告を見る事すら封印し本日を迎えた。全てが初めて観るエイリアンロムルス。まず思うことは、生きている内にこの新作を観る事のできた喜び。感想?言うまでも無く傑作エイリアン映画だ。

冒頭の20世紀スタジオのロゴに、早速胸からチェストバスターが飛び出してきそうな程心躍る私。そこにさっそく冷や水を浴びせる改変ロゴ。続く強烈なタイトルドンッ!そうだ、これはファンが待ち望んだエイリアンの新作。既に映画館は宇宙、悲鳴は聞こえない。

私自身が情報無しで楽しんでおきながら、人の楽しみを奪うわけにはいかない。口はフェイスハガーで塞いでおくとします。ネタバレ無しの感想は、エイリアンファンやSF、ホラーファンは映画館で観るべきマスターピース。これだけ。是非音響のしっかりした映画館で観て欲しい。

★光の点滅シーンある為注意。妊婦注意。

★ここからはネタバレあり感想、今回は語るよ〜★

最高のエンタメでした。エイリアンファンが好きな要素がしっかり詰まっている作品でしたね。手に汗握る展開の連続で息を殺しながら心の底から楽しみました。悲鳴をあげるので無く、黙し殺す感じ…これがエイリアンですよね。

冒頭の植民地惑星は、宇宙開拓の大変さと大企業ユタニの搾取がしっかり描かれていて良かったです。こういう描写は世界観に重みが増しますよね。

そして宇宙の美しさ。これは映画館の大画面で観るべき映像。宇宙船のデザインは相変わらず良い。レトロフューチャー感のあるコンピューターや船内の扉、ランプ等は重厚感あって良いですよね。ギミック感満載の扉開閉が地味に大好きだったりします。そして無重力のギミックをここまで表現、活用してくれたのは大作ならではで面白かった。パルスガンも絶対欲しい要素だから助かる。

登場人物も生き生きしていて良かった。レインの芯の強さはリプリーの系譜を感じました。そして本作の柱の一つとなるアンディ。アンドロイドという特性がストーリーにも大きく絡んでいるし、AIが進歩していく現代に色々考えさせられる存在だった。労働の担い手として、家族となり得るか、そして彼らのアイデンティティ。リドリースコットもにっこりのブレードランナーにも通じるテーマだと思う。ビヨンのアンドロイド嫌いはちょっと不快でしたが、思い返せば2の冒頭のリプリーも大概でしたね。身体が半分にビショップしていたアンドロイドのルークが一作目の憎いあん畜生モデルだったのは面白かった。ユタニ優先は相変わらずで苦笑い。

さてお待ちかねのエイリアン。宇宙空間に放り出されて、考えることをやめたカーズみたいになってましたね。エイリアンを研究する探究心は今回も破滅を呼んでいました。フェイスハガーが襲ってくるシーンは怖かった。今作で温度と音への走行性があるのがわかりましたね。初っ端から全滅しかね無いあの感じ怖かった!

またチェストバスターからゼノモーフになる中間課程も明らかになりましたね!これは面白かった。あの繭卵は、卑猥だと十字開閉に改変されたギーガーの初期卵案へのオマージュかも。こうして見てみると確かに卑猥な感じ。ギーガーデザインのエイリアンは生殖器官モチーフが多いです。ゼノモーフやチェストバスターは男性器、卵やフェイスハガーの口のとこは女性器。これは生殖という目的に特化している究極の器官。(神がデザインした)自然界に於ける究極の形として、本来工業製品のデザイナーだったギーガーがその機能性という点で着想を得ています。一方生殖への恐怖感も表現されています。

ゼノモーフ、一匹かと思ったら大量に出てきましたね。本作は酸の血液がしっかり存在感を持っていましたよね。これも初代脚本のダンオノバンへの敬意を感じます。毎度お馴染みの隠れてたよ〜からのひょっこりはお家芸の域。ラストのオフスプリング(混合種)はキモさ抜群。顔が人間な分嫌悪感が凄い。縦に長く、凄く絶望感がありました。

忘れちゃいけないのは音!凄くハラハラさせてくれました。音楽もエイリアンのBGMという感じでしたね。一方で無音の使い方も良かったです。

総評 ほんと幸せ。観たかったエイリアン。ファンを喜ばせる要素が満載で最高!一作目のスリラー的な雰囲気も、パルスガンでの戦いのような二作目感、やっぱり人間が怖い要素、そしてホッとするのはまだ早い展開。ラストのオマージュ通信もにくい演出ですよね。
いやー同級生の活躍を映画館で観れて良かった!(エイリアンは同い年)4DXを観に遠出しようかなと思っちゃう。ただ映画に入り込み過ぎて、酸のシーンで霧吹き喰らったら思い込みで火傷するかも。

★頭の中でエイリアンが大繁殖してますのでこのレビューは加筆間違いなしです。この映画は語り合いたい!
さみわん

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