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めまいのkirinのネタバレレビュー・内容・結末

めまい(1958年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

『めまい』

・ミステリーコーナーにあったから必死で犯人推理してたけど、犯行に関しては分かりやすくて「なぜ名作?」と思っていたけれど、登場人物の心理描写に引き込まれた。恐らくこっちが見せ場だったんだと気づいた。
・尾行絶対気づかれる。敏腕刑事であった過去を疑ってしまう。
・ジュディの「あなたの言う通りにするから愛して欲しい」という台詞は共感してしまった。ジョンのやっていることは最低だけれど、愛の条件があるならそこにぴったり当てはまって愛されたいと思ってしまう。
・ジョンはカルロッタのネックレスを見てジュディとマデリンが同一人物と気づいたようだったが、なんの疑いもなしにジュディにマデリンの容姿をあてがっていたのだとしたら頭がおかしすぎる。
・ミステリーではあったけれども、とても切ない気持ちになる映画だった。ヒューマンドラマな感じ。最後のジュディが犯罪に関わっていたことを知りつつ、マデリンを愛していたと言いつつ、ジュディのキスを受け入れてしまう葛藤や情欲、過去への執着が面白かった。
・最後、シスターが出てきてそれに驚いたジュディが転落していく描写は「罪を犯した者は裁かれる」キリスト教圏の文化が強く見受けられたように思う。神のご加護を(?)的なシスターのセリフで終わるのは本当に皮肉だ。
・ジュディを階段に上がらせて高所恐怖症を克服したジョンは、また多分ジュディのせいで高所恐怖症になるんだろうなという最後。
・全体的に薄暗い雰囲気が漂っている大人な映画。何故依頼人の旧友は妻を殺したかったかも知りたかった。
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