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先生の白い嘘のEDDIEのレビュー・感想・評価

先生の白い嘘(2024年製作の映画)
3.5
一見わからないようでも人は他人に言えない秘密を抱えている。性加害の酷い描写が続き、そこから逃れられない男女の差、一方性への恐れを表明した男子高校生の無自覚な性差など、意識しなければ見えない事柄を禍々しく描く。親友役の三吉彩花が素晴らしい。

鑑賞直後の想い。上の感想は上映前のゴタゴタとは切り離した純粋に映画を観て感じたことだけを言葉にした。
引用元は、やはり記事の問題はちらつくし無視はできないからこそ、この問題を機に日本映画界の性描写およびインティマシーコーディネーターの採用に真剣に向き合ってほしい。

▼引用元(鑑賞直後のX感想)
とても意義ある作品だと思う。だからこそ事前に出たあの記事がチラつくのは勿体無いし、監督と俳優の間にたとえどんな信頼関係と会話があったとて看過はできない。「私は大丈夫です」と言わせてしまうのは映画内の暴力とやってることは一緒。絶対にこの出来事を風化させてはならない。
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おそらくこの映画の展開は今の現状を映し出しているからこそ、あの方向性に向かっていったのだろう。誰も助けてくれない、と。原作はわからないけども。だからこそ早藤の心情の変化は唐突で、美鈴があの行動に至ったとてああはならないだろうと感じた。あとあの女子高生を出す意味…。

どうも不可解なのは風間俊介演じる早藤のキャラクター性。一見良さそうな人なのに裏ではエグいことを平然としでかすみたいなキャラは彼にピッタリの役柄なのだが、あまりにも露悪的すぎないかと。表も裏も悪い面を出すとただの社会不適合者では?あんなにうまく生きられないだろうに。

男性性と女性性のどうのこうのの前にこいつ早藤がただのヤバいやつなんですよね…もう少し高校生の彼のように無自覚性を上手く描いてくれたら良かったのになぁとは感じたかな。一見表では良い人だけど裏でヤバいことやってる人と、表裏関係なくただヤバいヤツでは全然意味合いが変わるんですよねぇ。

〈キャスト〉
原美鈴(奈緒)
新妻祐希(猪狩蒼弥)
渕野美奈子(三吉彩花)
三郷佳奈(田辺桃子)
和田島直人(井上想良)
清田恵里(板谷由夏)
池松和男(ベンガル)
早藤雅巳(風間俊介)

※2024年新作映画87本目
※2024年劇場鑑賞83本目
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