【祝】
日本公開決定

西アフリカ海岸の小さな村・イイ。現代社会とは隔絶されたこの村では、水の女神「マミ・ワタ」が強く信仰されていた。長老であるママ・エフェはこの村で唯一「マミ・ワタ」と交信がとれる人間で、実質的に村の最高権力者として崇められていた。しかし、彼女の力の衰えにより村には改革の波が迫っており...。

全編モノクロのナイジェリア産フォーク・スリラー。

私はこの映画の詳細を知るまでは何も知らなかったんだけど、ナイジェリアはハリウッド、ボリウッドに並び’’ノリウッド’’と呼ばれるほどの映画大国として地位を確立しつつある。
が、その一方で映画のクオリティはお世辞にも高いとは言えず、年間2000本以上の映画が製作・公開されているのにも関わらず、日本などでの配給はおろか、本国のみでのリリースで止まってしまっている…らしい。

本作「Mami Wata」は2023年のサンダンス映画祭でプレミア上映され、第96回アカデミー賞外国語映画賞のナイジェリア代表作品に選出された映画でもある。

内容に関しては、全編通してかなりしっとりしてる印象。
ジャケや予告編からもその片鱗が見えるのだけど、全編モノクロでありながら、モノクロでも実際の色彩が解るほどに衣装と画作りに力が入っており、登場人物のメイクや髪型、小さな村の落ち着いた雰囲気や波の音などが作用し、’’隔絶された世界観’’の構築がかなり上手く、冒頭から強く惹きこまれた。

ただ、個人的には映像面ではかなりのインパクトがあるものの、内容はあくまでヴィジュアル重視に感じストーリーはそこまでといった印象。
私自身モノクロが苦手というのもあるが、本作はそんなモノクロ苦手民を押しつぶす’’画’’の強さがあり映像面ではとても面白かった。この点でも「唯一無二」と評価されるのは納得。

と、海外でもかなり高い評価をされているナイジェリア映画の進歩を本作なんですが、この度私が所属する映画サークル「コーンビーム」の映画祭イベント「Festa Incognita」にて上映が決定致しました。

企業による配給などではないためクラウドファンディングの形を取ってはいますが、監督や権利元とはコンタクトを取れており、幸先は良好です。

クラウドファンディングの為、当然リターン品(Blurayなど)も用意してありますので、興味のある方は是非ともご支援の程よろしくお願いいたします...！！

まぁこんな堅苦しい感じも嫌なんでね、ユルく言いますと我ら「サークルコーンビーム」が日本で上映したい映画を上映するぞ～～～配給するど～～～～～って感じなだけなので、それに「こんなんやるんか観てぇ～～」って思った人はちゃんとしたリターンあるから支援してね！！って感じです。当然直接コンタクトを取るわけだから、まだ海外でも未ソフト化の映画とかも(もしかしたら)持ってこれるかもしれないです。

上手く行けば今後も変な映画や未知の映画、唯一無二の映画を沢山日本に持ってこれるかもしれないので、よければ～

Mami Wata 日本語版予告編➤https://youtu.be/2bIgLAcfkTY

他にも2作品ほど「Festa Incognita」にて上映予定＆Bluray化！(の予定でしたがThe Sky~につきましてはアップデートをご確認ください。)

Festa Incognita 詳細➤https://motion-gallery.net/projects/Incognita-festa

視聴 2025年2月23日

• #日本未公開ξ

【サンダンス映画祭2023　ワールド・シネマ・コンペティション部門特別審査員賞】
西アフリカの民話を題材にした作品。サンダンス映画祭で特別審査員賞が撮影に対し授与され、インディペンデント・スピリット賞では外国語映画賞にノミネートされた。アカデミー賞では国際長編映画賞ナイジェリア代表として出品された。

これは評価されるのも分かる良作。白黒の撮影が素晴らしく、民話を題材にしたファンタジックな物語もいい。

先住民族の女性魔術師が文明社会の男を助けることで生じる歪みを描いた本作、終盤に驚くべき転換が用意されている。リアリズムに基づいた寓話だと思ったら伝説がそういう形で…なかなかいい映像的転換だったと思う。

惜しむらくは先住民族の村に入り込む男が急に敵になってしまい、その心情がイマイチ汲み取れないこと。本当に急に敵になるからビックリした。

しかしそれを補って余りある映像センスが展開されていると思う。映像的転換で部分的にカラーになるのだが、その使い方もいい。白黒に頼った画面になっていないところが素晴らしい。

村に伝わる伝説の存在マミワタ、長老はその力によって村を守っているというが、人々の信仰は薄れつつあった…

マミワタカカラ〜！！
良かったぞ！！！！
全編モノクロで陰影が美しい！！
ストーリー自体面白いけど、主人公達の民族的なメイクが相まって幻想的な雰囲気があり、凄く惹き込まれた！
顔や髪のメイクが白黒だからこそ強調されて綺麗
光を用いた表現も、強弱が付いて印象的だった
物語もシンプルだけど面白くて、マミワタを信仰する人々と古臭い伝統に痺れを切らす人々の対立が描かれていた
なんか正に歴史にありそうな話
人の醜さや秩序のあり方を考えさせられた