unko

雪の花 ―ともに在りて―のunkoのレビュー・感想・評価

雪の花 ―ともに在りて―(2025年製作の映画)
3.5
江戸時代末期に流行した痘瘡(天然痘)。町医者の笠原良策(松坂桃李)は痘瘡の治療ができず死を待つ現状に憂いていた。
漢方医学だけではなく蘭方医学への学びの勧めもあり、京都の蘭方医・日野鼎哉(役所広司)に教えを乞うのであった。そんな中、海外では天然痘の膿を幼子の体内に植え込むことで予防効果があると笠原良策は知る‥。

原作は吉村昭の小説「雪の花」(昭和63年新潮文庫刊)。
無名の町医者が何とかコネクションを繋いで、上様まで嘆願書を提出し、承諾を得るところから、いかに種痘の苗を枯らすことなく福井まで運ぶのかというシンプルな話。
1人の男が人々のため、家財も売り払い、未来のために奔走する話はやっぱり好きだな~。この人の熱意があるから種痘の苗を保持している子供と親が計画に乗ってくれる。

物語で峠越えがあるのですが、私的にそこがこの物語の一番の盛り上がりどころです。

また笠原良策の妻である千穂(芳根京子)が才色兼備かつ和太鼓もかっこよく叩いちゃう。ギャップの「えっへん、えっへん」という台詞可愛すぎるだろ‥。

静かで特に何かが頻繁に起こるといった映画ではないですが、しっとり味わえる映画でオススメデス。
unko

unko