オリジナル版視聴済み。
同じプロットから演出、キャスティング、ディティールの変更でまったく別の印象に仕上がっている。構図まで踏襲している箇所も少なくないのに、ここまで違う印象で成立させる手腕に驚く。
オリジナル版は哀川翔と香川照之の怪演ありきで成り立っており、かつ異常なシチュエーションやロケーションが、ザラついた暴力と乾いた狂気を際立たせていた。
今回のセルフリメイク版では、フランス人俳優の中に柴咲コウを配置することで、「東洋の女の得体の知れなさ」が演出されていた。高橋洋が指摘していたとおり、鑑賞している我々日本人が、フランス人の目線を疑似体験するかのような奇妙な感覚があった。オリジナル版の乾いた印象に対し、湿った不気味さが感じられた。
オチの改変も秀逸。インパクトはオリジナル版に譲るが、良い意味で不快感はセルフリメイク版のほうが勝って見えた。