サラリーマン岡崎

蛇の道のサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

蛇の道(2024年製作の映画)
4.5
「本当に辛いのは終わらないこと」…。
柴咲コウ演じる小夜子が西島秀俊演じる患者に放つセリフだ。
このセリフの真の意味がわかった時の彼女への恐怖と共に力強さと弱さが同時に感じられ、それまで真意不明だった彼女に対してとても感情移入してしまうつくりは本当にすごい。

それも、柴咲コウが演じているからだと思う。
あの少し睨んでいる様な視線。
前半の真意不明な小夜子の不気味さをすごく物語っていたし、後半彼女の真実を知った際には彼女の強い執着へとその視線が変わる様に見える。

そして、この物語は虚無感で終わる。
物語自体はそこまで悲しい結末ではない。
けど、どこか虚しい。
それは、「本当には終わっていない」からだと思う。
尾を引く辛さを観客にも与える柴咲コウはすごい。