Monsieurおむすび

祝日のMonsieurおむすびのレビュー・感想・評価

祝日(2023年製作の映画)
3.9
#祝日
おもしろくて可能性を感じる作家性と映像言語。私も伊林侑香監督を信じてみることにする。

父は自死、母は出家で独りぼっちで生きる中学生 希穂は、無為の日々のなかで自らも命を絶つことを選択。
祝日で誰もいない学校の屋上から飛び降りようとした瞬間、自称天使の馬場さんが現れて「明日のほうがいいよ」と。
明日死ぬ為に、今日を生きる2人のふらふらとしたファンタジック・ロードムービー。

食事は野菜ジュースとプリン、その日が祝日であることも知らない希穂の何も感じることがなかった世界が、馬場さんとの2日間によって仄かに色と微熱を帯びていく。

これからも続く長い人生どころか、明日ですら希望が持てない過酷な世界で、今日なんとか、なんとなく生きてみようと思える出逢いや気づき、そんな暇の祝日に身を任せてみたくなる。
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