千里

ほなまた明日の千里のネタバレレビュー・内容・結末

ほなまた明日(2024年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

トレイラーに惹かれて鑑賞。センスの相性が良い映画というか、一つ一つのシーンに自分の"好き"が詰まっていた映画だった。

"良き友人であり、ライバルでもある、写真に直向きに向き合う学生たち"が主要人物として描かれるのだけど、一つのことに直向きに没頭する人たちというところに好感を持てるし、更にはそれが表情や感情を写す写真であるというところも映画との相性の良さを感じる。

写真に向き合う姿を通して、才能があって努力も欠かさない主人公ナオ、実力はあるけどナオ程ではないことに複雑な気持ちを抱く小夜、同じく写真は上手いけどナオの実力を目の当たりにして自信を失っている山田、写真は彼らほどでは無いのかもしれないが人間関係に関しては一番上手くやっている多田、生徒たちを暖かく見守りつつも自分が持っていないものを羨む先生と、主要人物の人物像がきちんと見えてくるところも良かった。多田なんかは一番バックボーン明かされてないのに、人間関係は彼のおかげで上手く回ってるんだろうなというのが分かるの上手いなぁと。

それから歩くシーンが凄く魅力的で印象深かった。主人公のナオが写真を撮りながら歩くシーンが何度も出てくるが、色んな人との関わりが見れて楽しそう(お店の人にも言われていたけど)だし、ラストの追いかけっこから皆で歩いて渋谷まで行くシーンも青春感が素敵だった。そして特に良かったのが夜の道を別れ話の為に一緒に歩くシーン。別れ話の為に歩いてるのになんであんなに夜道がキラキラ魅力的に見えるのか。凄く良い。

とても好きな映画だった。


2024.03.29
イベント上映最終日に2回目の鑑賞。感想は概ね1回目と変わらないが、やっぱり多田くんの抱えてるものが気になるなと。特に名言はされないけど、実家の写真館を継ぎたい気持ちと父親に反対されてしまった現実を受けて、写真を撮ることで何かをみつけようとしてたのかなとか。色々考えてしまう。

舞台挨拶は道本監督とキャストの田中真琴さんと重松りささんが登壇されて、写真の撮り方に四苦八苦してプロの方に助言を貰った話とか、ワークショップで俳優と一緒に作り上げた作品であることとか、色々聞けて良かった。初日の舞台挨拶がお葬式ムードの舞台挨拶だったとのことで、田中真琴さんを筆頭ににぎやかな舞台挨拶で楽しかった。田中さんも重松さんも結構役とご本人にギャップがある印象だったので、役者さんて凄いなぁと。

そして本公開決定おめでとうございます!!10月くらいとのことなので、本公開されたらまた観に行きたいな。
千里

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