May

ぼくのお日さまのMayのレビュー・感想・評価

ぼくのお日さま(2024年製作の映画)
4.7
夜明けのすべてに続き、今年観てよかった映画。静謐なストーリーに合わせたように縦横比率がほぼ同じミニマムな画面サイズで、セリフも最小限、登場人物も多くなく、ひと冬という限られた期間スケートリンクでの小さな物語。
 
ホッケーから転向したタクヤがフィギュアを習得していく過程、アイスダンスのバッチテストへ2人が練習を重ねる過程が丁寧に納められた全てのカット・シーンがとにかく美しい。屋外の湖での3人のシーンは幸せすぎて涙が出てしまった。

子役2人の瑞々しい演技が良かったのはもちろん、池松壮亮が素晴らしかった。
子役からのキャリア、アウトローやエキセントリックな役などを経て、原点回帰のような役を気負いなく若手に背中を見せるように演じていたのが印象的だった。

タクヤとさくらの淡い恋心と、若く眩しい2人への荒川の羨ましさ。ただ噛み合わなかっただけ。胸がギュッとなったけれど、季節が巡ることでそれぞれが一歩踏み出すラストは希望があった。
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