エリオット

ぼくのお日さまのエリオットのレビュー・感想・評価

ぼくのお日さま(2024年製作の映画)
4.3
穏やかな陽射しに包まれた北海道のどこかの街での少年と少女と彼らを見守る青年(池松壮亮はそろそろ中年?)との一冬の物語

少年は吃音を気にしてか自分の思っていることを表に出せず、フィギュアの練習をしている少女に一目惚れするがリンクの外から彼女を見つめるだけ。フィギュア少女のコーチはそんな少年を微笑ましく思って少年にフィギュアスケートを教えようとするが、コーチのことが気になっている少女は自分のことを放り出して少年に肩入れするコーチが気に入らない。
と、序盤は視線がバラバラな方向を向いている3人がアイスダンスの大会を目指すのをキッカケに同じ方向に視線を向けて進み始める…この中盤の多幸感は圧倒的で、2時間でも3時間でもそのまま続いてほしかった。
たとえその後3人の視線がまたバラバラになったとしても、その幸福の記憶がそれぞれを前向きにさせていたように思う。

とにかく画と音楽の美しさ(外から陽が入るスケートリンクの美しいこと!)と少年少女の瑞々しさが鮮烈に記憶に残る作品だった。
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