なつこ

ぼくのお日さまのなつこのレビュー・感想・評価

ぼくのお日さま(2024年製作の映画)
4.0
待ちに待った奥山監督の長編2作目!!
主題歌から着想を得たという本作。

無垢でまぶしくてキラキラしてて。
一方で気持ちを言葉にするのは上手くできない10代前半の空気感。
それを観せるのが本当に上手い。

彼らの住む町で、男の子は夏は野球、冬はホッケーをすると決まっていて、でもそのどちらもタクヤは上手くできない。

ホッケーが終わったあとのリンクで、タクヤが見かけるさくら。スケートを習ってるけどそこまで楽しそうには見えない。

そして彼女を教えることになったのは、元スケート選手で東京から来た荒川先生。

この3人が出会い、過ごしていく日々が、本当に楽しそうで輝いていて✨
リンクも太陽の光が優しく2人を包み込んでいるようで素敵。あんなに自然光の入るリンクあるんだなー。

大好きなのは屋外練習のシーン!
みんなの笑顔が本当に楽しそうで、3人ともキラキラして、見ているだけで幸せな気持ちになれる時間だった。

だから終盤、なんかホントにもどかしい思いで胸がいっぱいになった🥺
その辺はネタバレになりそうなので、下の方で。


今回もスクリーンはスタンダードサイズ。それがまた、ノスタルジックとまでは言わないけど、モヤモヤしてるのになんとも言葉にできないあの頃の気持ちを思い出させてくれた気がする。

あと、ストーリーには関係ないけど、たくやくんの家のワンコが可愛いのよー!
パンフレットにもちゃんと載ってて嬉しかったw

そう!パンフレットの装丁もすごく可愛い💕
中綴じで、その綴じも黄色い糸で、中にお日様形の紙も入ってて、これ小さいけどコスト高いだろうなっていう(同人誌基準ですが笑)こだわりのパンフレット。
前作の時も、ここまで凝ってはいないけど、パンフレット可愛かったよね。

中身も、監督がキャストそれぞれに渡した「自己紹介文」が載ってて、台本にあまりセリフとかを書き込まない分、この「自己紹介文」に、その役の性格が詰まってて、興味深かったですね。

キャストと監督の座談会も、撮影やカンヌを振り返りながらもキャッキャしてて楽しそうで、彼らが話してる風景が想像出来ました😆✨

なんかほんと、陽だまりのような映画です✨✨✨


以下、先程の「もどかしい気持ち」の続きネタバレ含むかも
↓↓↓↓↓↓




















先生を遮断してしまったさくらちゃんだけど、腹は立たなくて。
きっと先生に淡い想いを抱いてたよね。
だからショックだったろうし拒絶する事しか出来なかったのだと思う。

小さな町で生まれ育った中学生の女の子が、同性の恋人なんて想像したこともなかっただろうし、それがおかしいことでは無いと教えてくれる誰かもいなかっただろうから。

彼女が教室に1人でいるシーン、セリフも何も無いけど、あそこで「自分でも分からない自分の気持ち」を抱えてる感じが、すごく伝わってきた。

けど、さくらちゃんに腹は立ててないけど、彼女が拒否したことで、結果、荒川くんは仕事も恋人も失いあの土地を出ていくことになってしまった。
それがとても切なくて。

ただ救いだったのは、ラストシーンでタクヤくんがスケート靴を抱えていたこと。
アイスダンスはダメになったけど、今でもタクヤくんはまだスケートを好きなんだ…その気持ちに救われた。

同時にさくらちゃんがタクヤくんを避けずに歩いてきたことで、この先、荒川先生のスケート靴が、また2人に笑顔の時間を作ってくれるかもしれないという希望を持てた、シンプルだけど良いラストだった🥹
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