ほのか

ぼくのお日さまのほのかのレビュー・感想・評価

ぼくのお日さま(2024年製作の映画)
3.9
画がずっと美しくて、あわせて流れるハンバートハンバートの佐藤良成さんの音楽がたまらなくて、池で練習するシーンでめちゃくちゃ泣いた。一切の負の感情が彼らに降り掛からなければいいなと思った瞬間だった。そう魅せられ、そう思うことにより後半がより辛い。本当に美しくて酷い物語だ。


言葉でなにかを言い表すことが得意ではない彼らは、それゆえに目線が雄弁であったと思う。交わっているようで交わっていなかったのだと思い知る。

ぼくのお日さまはたくやからの目線なんかなとおもった。そんでさくらと荒川が月の光で踊るのが憎い。月は後ろめたさなのかな。

池松くんすんんんごい。ほんまによくてよくてよすぎた……。さくらだけを教えてるときとたくやを教え始めてからの落差がすごくて、だからより幸せそうなのが嬉しくて、最後の救われなさがきつい。
相手が若葉くんなのはほんまに最高すぎる。若葉くんがでてることすらも知らなかったので一緒に住んでる画でもう沸いた。このふたりの空気感がよすぎてこの2人の幸せな物語だけがみたいよわたしは。

正直今まだこの物語をするのかと思ってしまう。物語のために登場人物にこんな感情を抱かせるなと。あんなにも幸せそうに笑っていた荒川だけが最後報われないことにそれで本当にいいの?と。
でも観てる側が物語の正誤を決められるわけではないんだよなあと口を噤む。ひどいなあ。ひどいよ。