あたたかさとさびしさ
北海道の冬の美しさを真空パックにした映像が素晴らしい。めちゃくちゃ寒いはずなのにあたたかさが光として伝わってくる。
フィギュアスケートをしてみたい少年、でも習い事はアイスホッケーなので靴が違ってスピンが出来ない。それを氷を削る音だけで表している演出が良かった。
冬真っ盛りにフィギュアスケートを軸にした青春が眩しく、スポーツ映画としても素晴らしいが、吃音を持つ男の子と無口な女の子のほんのちょっとの恋愛感情が眼差しで表されるのもまた素晴らしい。
賛否ある終盤のビターな展開がケアされないところなど、ストーリーに引っかかるところがないわけではないけど、その展開に冬が終わり春が来る切なさとさびしさがあった。