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イカとクジラのnaoのレビュー・感想・評価

イカとクジラ(2005年製作の映画)
3.6

ある不器用なインテリ家族の悲しくも滑稽な悲喜劇
思春期の2人の兄弟が、両親の離婚という大問題に直面して、様々な心の葛藤を経て成長していく姿をユーモアを漂わせつつシビアに綴る

離婚が実際に家族に与えるインパクトを飾ることなく、辛辣なウィットを効かせながら描いた脚本が秀逸で、80分が一瞬で過ぎていきます

イカとクジラというポップなタイトル、穏やかな雰囲気のあるジャケット、離婚した夫婦とその家族
これらだけを見て想像する話は、夫婦の喧嘩、家庭の崩壊、仲直り、再生といったストーリーかと思ったら

まさかの登場人物の誰に共感したらいいか分からない結構きつい作品

しかし、それは突き詰めれば凄く人間的な作品だということ
ドラマチックな復縁があるわけでも無く、ただ離婚に直面した家族の内情を映し出す。そして、それが故の圧倒的なリアリティに惹きつけられる

作品全体を通して何を伝えたかったのかは、自分には分からなかったのですが、この救いの無い物語からは途方も無い人間臭さが感じ取れる
直情的な行動から読み取れる感情は、人間をより鮮鋭に表しているのかもしれないなと感じました🤔
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