どこかのだれか

イカとクジラのどこかのだれかのネタバレレビュー・内容・結末

イカとクジラ(2005年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ユニークな家族だし変な人たちだけど、どうにも人間くさい。ここまで人間くさい映画ってあんまりないのですごいと思う。

お父さんの芸術家ぶったうざさと独善的で無神経なところとか、人間っぽさしか感じない。駐車できなくてイラつくところと、それに対する息子たちの反応がトーンは一緒だけど反対のことを言うのもいい。
お母さんの男関係の醜悪さと、でもあんな夫だとまともじゃいられなさそうな様子のバランスも絶妙だった。

両親の間を文字通り行き来する息子たちの、盗作癖や飲酒癖っていうあんまり笑えない側面と普通の子どもである側面が同居してるのも、人間の不完全さを如実に描いていた。
両親がああだから子どももこうなる、という話ではなくて、人間はみな多少なりとも問題を抱えてて不完全な生き物である、ってことを思い出す映画だった。
めちゃくちゃよかった。