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イカとクジラのペジオのレビュー・感想・評価

イカとクジラ(2005年製作の映画)
4.5
「クジラの喧嘩に海老の背が裂ける」を地でいくお話

「子供ってのは成長すると親の肩越しに向こう側の景色が見えるようになってそこに何も無いのを知るんだよねー」みたいな事を昔の偉い人が言ってましたが、正にそれが「大人になる(皮肉)」という事であります
親もまた一個の人間であり世界の一部
その真理が受け入れ難い内はまだ子供である
「家族」というものに拘ってしまっているのは「大人」なんてこの世に存在しないという証し

現実や創作に限らず個性の大事さを謳う世の中なのに、そこに「親」という属性が一つ加わるだけでそれを余計なものとして扱ってしまう不条理
(勿論それは「理想的」という社会に受容された偏見全てに当てはまりますが。)
「理想の家族」とは関わる全ての人間が無個性でなければ成立せず、故に実現不可能だからこそ目指すべきモデルケースたりえるのかもしれません

アンナ・パキンはいつ見ても「この娘ヤらせてくれるんじゃね?」みたいな役を演じている気がする

思っていたよりもこれまた随分とイカ臭い映画でございました…
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