そもそもこれは刺さる刺さらないでとやかく言っていいタイプのものじゃないからな…
個人的には「映画として刺さった」わけではないけれど、「ものすごく考えさせられる映画」だったことは間違いない。
ありそうでなかった「児童養護施設」を題材にしたドキュメンタリー。敢えて子供達の家庭の事情に言及せず、「等身大の彼ら」を映すことで、彼らの人間関係や心の動きが見えてくる。
ドキュメンタリーって難しいよね。撮り手が介在している時点でそれは本当の意味での「ありのまま」ではないにせよ、今作から発せられていた彼らの本音は、とても造られたものであるとは思えない。
家族とは何か、家とは何か、ひいては普通とは何か、生きるとは何かまで、とても考えさせられる良作。
血の繋がった人と一緒にいた時間が短い彼らからは、「血のつながり」を何より重要視している節が垣間見える。
施設の先生たちも彼らなりに子供たちを愛してはいるけど、子供たちの受け取り方もまた様々…
うーん、難しいよね本当に。
それでも子供達も先生も、悩みながらも常に人生を歩んでいる。前を向いて歩いているんだよね。力強い映画だった。
子供たちの名前や顔がガッツリ出ている影響もあり、配信やパッケージ化はされる予定がないらしい。
色々な人に見てもらいたい映画だったな。
気になっている人は映画館にぜひ足を運んでみてください。