レベルの低い新井英樹。レベルが低いというのは作品の格とかそういうのではなく、カリスマが一人もいなくてみんな凡人だというところ。革命を起こせそうな人が良い意味で一人も出てこない。高橋里恩の異様にハキハキと喋る演技プランがめっちゃ新井英樹だった。
序盤の川辺と終盤の公園。坂東龍汰と横並びで喋る。で、喧嘩をふっかける時は対面するから切り返しなわけだけど、最初に喋った人を撮り続ける。聞いてる人の返しになかなかいかないものだから一人喋りのようになってくる。その内容の薄さ！ そしてその一人喋りをする役割が主人公に回ってきたときの真っすぐさ。真っ直ぐな憎しみ。この真っ直ぐさが二ノ宮隆太郎のような気がする。それを経た上でのカフェ。この切り返しはカフェマスターから始まる。一人喋りの時間は終わり、影響を与え合う対話の時間が始まる。で、ラストの切断。
