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写楽のmitakosamaのレビュー・感想・評価

写楽(1995年製作の映画)
2.7
スカパーにて。監督は篠田正浩だが、企画・制作はフランキー堺だそうな。フランキー堺が写楽の研究家で念願の映画化だったとのこと。

うーむ。氏の情熱には敬意を表すが、この映画の評価はやはり微妙と言わざるを得ないなぁ。

そもそも、その生涯が謎な写楽のキャラクター設定をし、ドラマ化だ。
故に基本的にはフィクション以外の何者でもない。

真田幸村演じる,下っ端の歌舞伎役者・十朗兵衛は舞台の怪我で引退。岩下志麻演じる芸人集団に混じりトンボの芸名に。

浮世絵の版元・蔦屋重三郎(堺)は松平定信の寛政の改革の影響もあり、喜多川歌麿(佐野史郎)に離別されてしまう。

蔦屋は新たな役者絵の書き手を求め、トンボのセンスを見抜き洒落として売り出しに。
蔦屋は歌麿に、写楽は歌舞伎役者に対する復讐とも取れる。

だが写楽は限界を感じ、歌麿の手伝いもあり花魁と駆け落ちするも結局捕まる。


役を固める役に、十返舎一九(片岡鶴太郎)、山東京伝(河原崎長一郎)、鶴屋南北(六平直政)、他にも若かりし葛飾北斎など登場。
この辺が色々詰め込み過ぎって感じがする。
だってさ、中盤終わりまで写楽としてのキャラクターが登場しないんだもん。1時間以上経ってやっとトンボが写楽になるが、それまで話が始まりそうで始まらない印象だ。
冒頭に写楽の華々しいデビューを描き、そこから回想シーンに編集すれば良かったのにな。

確かに時代考証も相当頑張ったようだ。
だが、どうせフィクションなんだから、せめてハッピーエンドにしてくれよと思う。ビターエンドはリアルだが、映画のオチとしては正直「?」だな。

フランキー堺の演技の熱量は素晴らしかった。トンボを絵描きとして口説き落とす、名編集者っぷりこそが、今作の一番見せたかったシーンだろう。
ココのシーンだけは100点満点。
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