いわゆるモキュメンタリー映画のちょっと新しい方式かなと思い、ワクワクしながら観た。
期待は裏切られず、あっという間に見終わった。
「秘密裏に残されていたフッテージを公開」みたいなノリはありがちなのだが、「完成されたテレビ番組」ではなくて、公開収録の本編と、あいまのきゅうけいちゅうもまわっていたフィルムをすべて収録しました、という設定が少し新しい。
本編場面はカラーで、休憩場面は白黒で描かれるので「そんな便利なフッテージがあるかい!」と思うのだが、そういう突っ込みながら観るのもこういう映画の楽しみだ。
最初は匂わせておいただけの、主人公の裏話や背景が、終盤で徐々に前景化してくる辺りも、予想通りだが面白い。
さらに、異様な人物として登場してくる少女のたたずまいが実に新鮮で、どこまで本物でどこまで嘘かわからない。しかもそれを取り巻く番組自体がやらせのオンパレードだから、虚実ない交ぜの中で、観るものも巻き込まれていく楽しみが味わえる。
(特に後半の、トリックを暴く専門家が暴いているのか巻き込まれているのわからなくなる辺りが白眉)
最終的にはかなりとんでもない結末になるので、そのぶっ飛び方も含めてB級映画を観ている楽しさが十分味わえる。
(ただし、ラストのラストはよけいだった気もするが、それはいろいろな方の意見を伺いたいなと思う。)