いやー、いいですね。70年代に大量生産されたオカルト映画の数かず、就中イタホラ風のハッタリ感もまとったヴェイパーウェイヴ・ホラー。
デヴィッド・ダストマルチャンが司会を務める深夜番組に、カルト教団から救い出されたという悪魔憑きの少女が出演し、研究者の誘導でなんと悪魔がテレビにあらわれるという直球作品。
70年代ライヴ番組の怪しさや強引ぶりを下敷きに、同時代ホラーの荒唐無稽な演出を臆面もなくぶち込んでくるクライマックスたるや、むしろ心温まる瞬間である。
ファウンドフッテージなのになぜかフレーム外の出来事までカメラが追っている(モノクロシーンとして切り分けられる)強引さも含めて愛すべき佳作。
こういうのがオーストラリアで製作されるってのがいいですね。アメリカでは忘れられかけたムーヴメントが周縁で温存され再評価されるという文化伝播の妙味よ。