冷蔵庫とプリンター

青の光の冷蔵庫とプリンターのレビュー・感想・評価

青の光(1931年製作の映画)
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 普遍性がありすぎる美の寓話。
 リーフェンシュタール監督作とあり、色眼鏡で見てしまいがちだが、これはなかなか良かった。リーフェンシュタール特有の審美性に(良くも悪くも)貫かれているし、その点、今作のある種の美しさについては認めざるを得ない。
 そうした(リーフェンシュタール的な)美が外部から簒奪され永久に損なわれてしまうという今作の大筋は、普遍性がありすぎるが故に容易にナチズムと接近させて解釈することも可能である。その点で言えば今作はむしろ不憫ですらある(おそらくリーフェンシュタールはそこまでのイデオロギーを本作に込めてはいないだろうから)
 今日的にはエコロジーの観点から捉え直すこともまた可能ではある(あまりにも安易な解釈だが)ので開かれた話だとは思った。