RIO

美しき仕事 4Kレストア版のRIOのレビュー・感想・評価

美しき仕事 4Kレストア版(1999年製作の映画)
4.5
ハーマン・メルビル「ビリー・バッド」を元にドニ・ラヴァンのために脚本を書いた監督
アリフレックスカメラ35㎜で表情を丁寧に撮影

監督が育ち見てきた美しき異邦人を描いた アフリカのジブチに駐留していた外国人部隊
まだ平和だった頃の記憶
マルセイユの港町にあるバーにいつも見掛けていた彼らは孤独だった

映画上映後のクレール・ドゥニ監督のお話も混ぜながら振り返ると

外国人部隊になることは新しいチャンスを得る
過去も関係なく未来を変えられる
そこにしかない自分たちの場所
家族がいなかった彼らは自分で作っていく

体を動かすシーンで大音響で流れるオペラ
キャストにはあらかじめではなくジブチに来てから初めて聴いて貰ったという究極の自然体なのは凄かったです 体の内側から気が出てた

男性の肉体は逞しいだけではなくシンプルで弱く 美しい
アフリカの暑さで乾いた大地はモノクロのように語りかけてくる
極限まで会話がなく断片的な映像の連続
そのまま見過ごすことはない何かがある
限りなく透明な青いカラーに染まる景色だった

罠を仕掛けられて負けて部隊に戻ることはできなかったサンタンも居なくなってせいせいしたフランス野郎と最後まで言っていたガルーも
── 大義のために命をかける
そこへ高みに到達することはなかった

後悔することは自由になれる たぶんと言っていた冒頭の言葉とラストのダンスへと繋がりを感じた
現実には悲劇しか起こらずドゥニ監督はガルーのピストルとダンスの順番は変えたと言ってました
悲しい物語は撮りたくはなかった

トークの途中でクレール・ドゥニ監督から *みんな疲れてるのっ*と突っ込みを入れられたとてもシャープで可愛いのとエネルギーが凄い✨
RIO

RIO