お麩

ティファニーで朝食を 4Kのお麩のレビュー・感想・評価

ティファニーで朝食を 4K(1961年製作の映画)
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オードリーヘップバーンは、ローマの休日みたいに本物の気品をまとう令嬢を演じることもできるけれど、
おてんばにローマを遊びまわるときは本当に生き生きしていたし、
こういった生きるのがままならない、言ってしまえば頭の弱めな女の子が似合うと思う。

そういえば、マイフェアレディもティファニーも、田舎娘がおじさんによって、レディーに仕立て上げられてるのね。

作中でホリーを指す「本物のニセモノ」ってまさにこういうこと?
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なんともシュールなセリフや映像にヌーベルヴァーグ風?を感じつつ、はずしを効かせた試みを感じる。

でも、わたしは、
・出会いのシーン
・ティファニーで買い物
・図書館初体験
・万引きチキン
・フレッド坊やとインテリアコーディネーターとの破局
・タクシー以降
このシーンだけでいい。

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恋に落ち、互いを所有し合うことが人生なんだ。そうすることでしか本当の幸せは手に入れられないんだよ。(ネットより引用)

奔放に生きることが自由とすら思っていそうなホリーにポールが放つタクシーでの台詞。

最近はアナキズム関連書籍を読んでいるから「人が人を所有っ!?もってほかでしょ!けしからん!」とこの手の話にはちょっと椅子から立ち上がりそうになりかけたけど、実は「そうだよね」とも思う。

わたしたちは他人で別の身体で、分かり合えないしひとつになれないからこそ、それを認めた上で、分かりあいたいしひとつになろうと奮闘する。あなたを所有したいと願わないと、人と人とが2人で幸せになることなんてできないのよ。はじまらないのよ。

どうせできないから、どこまでも他人だから、「スタイリッシュ」に小切手を切って澄ましてないで、自由という檻に閉じ込められてないで、どんどん所有していこうぜ!まずはそこから。

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あと雨の中の「The end」のシーン、
大好き伊丹十三の『タンポポ』のわさび醤油シーンを彷彿とさせた。
というか、タンポポが好きすぎて雨の中男女が感動してたらタンポポみたいってすぐ思っちゃうだけかも。
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