ちゃんたら

八犬伝のちゃんたらのネタバレレビュー・内容・結末

八犬伝(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

10/31山形フォーラムで「八犬伝」を観てきました。

八犬伝といえばNHKの辻村ジュサブローの人形の「新八犬伝」を子供の頃にテレビにかじりついて観ていました。仁義礼智忠信孝悌という玉に浮かぶ文字や玉梓のラスボスたる恐ろしい姿形など今でも忘れられません。そのイメージがとても強いので深作欣二の「里見八犬伝」もそこまでいいとは思いませんでした。そんな中今回の「八犬伝」には期待より不安の方が大きかったのですが、王道エンターテイメント映画としてとても素晴らしい出来でした。今回は山田風太郎の「八犬伝」の映画化ということで、南総里見八犬伝を描く虚の部分と滝沢馬琴の創作を描く実の部分が、テンポよくとてもいい具合に描かれていて、最後まで全然だれることなく素晴らしい出来でした。ところどころ大芝居と言えるようなところもありましたが、それも含めてこの映画の物語世界を上手く描けていました。最後の「フランダースの犬」のような馬琴を八剣士が囲んであの世へ導く場面も鑑賞後感の清々しさを後押ししていました。