山田

マラソン マンの山田のネタバレレビュー・内容・結末

マラソン マン(1976年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

エレガントさが売りのはずのローレンス・オリヴィエがバリカンで頭を剃ってまで演じるナチス残党兼歯科医のジジイの存在感が凄い。ダスティン・ホフマンはいつもの頼りない感じ、院生にしては老け過ぎ。例のドリルでキュイーン・シーンは直接映ってはいないのに目撃したと錯覚して恐怖を植え付けられる、スカーフェイスのチェーンソーと同じやつ。
ロイ・シャイダーの恐ろしく青ざめた死相は忘れ難い。ジジイとの密会シーンは撮り方含めて緊迫感に満ちていて素晴らしいんだが、こう言ったシーンで一番輝く俳優はこの人かも知れない。フリードキン版のおっかなすぎる『恐怖の報酬』でもシャイダーは一際輝いていた。
何といっても撮影が見事。撮影監督のコンラッド・L・ホールという方は暴力脱獄からアメリカン・ビューティーまで幅広く撮っていたんだなー、知らんかった。
あと気になった点としては"赤狩り"と"ナチス残党"が結局交差しないまま終わったところ。まあ難しい事は考えずに体を動かそう、マラソンでもして。ということなんだろうか。
山田

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