山田さんの映画レビュー・感想・評価

山田

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クラム(1994年製作の映画)

4.5

露悪的表現の原動力はどこから来るのか、現代社会をアウトサイダーとして生きるとはどういう行為なのか。クラム一家を覗けばそれらが自然と見えてくる。
はぐれ者としての自覚が少しでもある人間は須く本作を鑑賞す
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ミシシッピー・バーニング(1988年製作の映画)

4.2

久々に再鑑賞。
今観るとモロにWhite saviorな構図の古臭さは否めずモヤモヤが残るが、まあアラン・パーカーだから面白くない訳がない。

七人の侍(1954年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

久々に鑑賞。
記憶に刻まれているシーンしかない!
絶命した菊千代の尻が白く洗われていく様を魂の浄化と解釈したタルコフスキーの気持ちが解った。

(1954年製作の映画)

4.8

オールタイムベストの一つ、ふと観返したくなった。
ニーノ・ロータの音楽とジェルソミーナの白痴演技は自分の映画体験の原点。

突然炎のごとく(1961年製作の映画)

4.6

これは凄い!60年代初頭のフランス映画でこんなにテンポが良くてポップで面白い映画は中々無い。ジャンヌ・モローの最後の笑みが脳裏に焼き付いて付いて忘れられない。この映画の印象は観る人の恋愛観に大きく左右>>続きを読む

フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)

4.5

こういう映画大好きだな。イタリアの田舎町へのノスタルジアという自分には存在し得ない心情を猛烈に掻き立てられた。
画面の色使いやショットの空気感が伊丹作品のテイストに近いなと観ていてふと思い、後で調べた
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ミッドナイトクロス(1981年製作の映画)

4.7

2回目の鑑賞。
内容はいつものデ・パルマ、つまり窃視趣味なのだが、その視覚要素を聴覚に置き換えるという試みが非常に挑戦的で、更にそれが映画的な面白さに直結しているのが素晴らしい。フィルムと音声を重ね合
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.8

SF設定はそこそこに、ただ暴虐の限りを尽くす富裕層の地獄バカンス絵図を観せる作りはソリッドでなかなか良かった。普通は色気を出しがちだけど、そうは行かないブランドン・クローネンバーグ、偉い。不安を煽る撮>>続きを読む

ポゼッサー(2020年製作の映画)

4.0

キャッチーな設定の王道SFかと思いきや、中々振り切れた一作。ドライで突き放したタッチ、二重三重の支配関係によって人間性が失われていく展開はDisturbedとも形容すべきか。
内面世界の大胆な描き方や
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アンタッチャブル(1987年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

小学生くらいの頃に本作に出会い、夢中になって何回でも飽きずに鑑賞したものだった。突如としてデ・パルマがマイブームになったこのタイミングで久々の再鑑賞。
いや、本当に面白いよ!オープニングタイトルの時点
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マラソン マン(1976年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

エレガントさが売りのはずのローレンス・オリヴィエがバリカンで頭を剃ってまで演じるナチス残党兼歯科医のジジイの存在感が凄い。ダスティン・ホフマンはいつもの頼りない感じ、院生にしては老け過ぎ。例のドリルで>>続きを読む

天才マックスの世界(1998年製作の映画)

4.6

二回目の鑑賞。
Ooh La Laが流れるラストシーンは映画史上に残る名シーン。キンクスが流れるプールシーンも素晴らしい。

マトリックス(1999年製作の映画)

4.5

10数年振り振りに観たけどマジで面白い!
鮮明に記憶しているシーンばかりで驚いた。こんなに面白ければ何年経とうが忘れる訳が無い。アニメやカンフー映画のサンプリングから全くオリジナルな映像世界を創り出し
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泳ぐひと(1968年製作の映画)

4.1

ニューシネマの中でも飛び抜けて挑戦的で訳のわからない映画。アッパーミドルクラスの虚栄心や欲求不満、家庭崩壊をバート・ランカスターの奇行を通して描いているのだが、非常に抽象的な表現なので解説無しで理解す>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

プロレスに関しては門外漢でエリック一家の知識も無かったんだが、マジで実話なのかこれ...。
超暗鬱な映画ではあるがそれと同時に非常にエモーショナルな映画でもあって、ラストのラグビーシーンで泣けてしまっ
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マンディンゴ(1975年製作の映画)

4.5

これまでに観た非ホラー映画の中で断トツで恐ろしかった。悪意の塊のような映画だから公開当時は苛烈なバッシングを受けたのも理解できるが、まあ事実を描いているんだからしょうがない。
メロドラマとして超面白く
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.4

いやー良かった。ノーランに関してはアンチまで行かずとも彼の世間一般の受容のされ方にズレを感じるが故に決して好きな監督ではなかったが、本作でノーランと和解できたような気がする。見直した!
彼は内面描写で
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ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

4.7

恐らく3回目の鑑賞。最高!
近年のタランティーノではズバ抜けた傑作。

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.6

ある程度映画のことが解ってくるとタランティーノが本作で試みた仕掛けが理解でき、程度の差はあれど同じオタクとして共鳴する。それがパルプ・フィクションの楽しみ方なんだなと久々に鑑賞して思った。Hip-Ho>>続きを読む

スキャナーズ(1981年製作の映画)

4.3

超ゾクゾクするシーンばかりで面白かったな〜。肉体と精神が入れ替わるオチも非常にクローネンバーグ的で良い。そしてマイケル・アイアンサイドの顔面力!

続・夕陽のガンマン/地獄の決斗 4K復元版(1966年製作の映画)

4.7

久々に観たけど最高だな〜、記憶に残る名シーンの目白押し。撃つ時ゃ喋ってないで撃つ!と泡だらけのトゥコが説教するシーンが一番好き。
深い皺が額に刻み込まれた、髭モジャ男達の顔面のアップは4Kのスクリーン
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ライフ・アクアティック(2004年製作の映画)

3.9

スローペースで前半は正直退屈だが、ウェス・アンダーソン的としか言い様のない呑気で楽しいボヤージュはやはり観ていて楽しい。ポルトガル語?で歌われるボサノバ風のボウイの楽曲も抜けた感じでウケる。

殺しのドレス(1980年製作の映画)

4.6

観返す度に評価が上方修正されるのがデ・パルマの映画。正に剃刀のようにシャープな恐怖を視覚的に叩き込まれる、そしてエロチック度も非常に高い。傑作!

スーパーバッド 童貞ウォーズ(2007年製作の映画)

4.3

二回目の鑑賞。
セス・ローゲン&ビル・ベイダーの警官コンビとマクラビンの破茶滅茶騒ぎは本当に笑える。
ホモソ映画としても良く出来ている。

ボディ・ダブル(1984年製作の映画)

4.4

滅茶苦茶面白かった。
画面から溢れんばかりの張りぼて感、すっとこどっこい感が堪らん。いつにも増して露骨なヒッチコックオマージュも愛らしい。
股座からぶっといドリルがヌッと覗き、身体と床を突き破って天井
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.8

何回か覚えていない程に観ている映画だけど劇場で人と観るのが一番楽しいね。
アルバート・ブルックスのアフロ頭が柱の奥からチラチラ覗くシーンで吹き出しそうになった。

狼たちの午後(1975年製作の映画)

4.7

早稲田松竹にて鑑賞。いつ観ても最高!
パチーノは言わずもがなとしてジョン・カザールの神経衰弱演技が見事。

ファントム・オブ・パラダイス(1974年製作の映画)

4.7

超久々に観返した。一番好きなミュージカル映画であるのは勿論、自分の映画観に大きな影響を与えた一本。大好きな割には10年以上観返さずにいたのでサイコオマージュのシーンとか全然忘れてたな。ジェシカ・ハーパ>>続きを読む

ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった(2019年製作の映画)

4.0

良いドキュメンタリーだった、彼らへの愛がより深まった。
ロビーの言葉が終始事実として語られる作りで、メンバーがドラッグに溺れる中でも良き家庭人としての顔を保ち続けるロビーが印象に残る。終盤はロビーとリ
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悪魔のシスター(1973年製作の映画)

4.3

『サイコ』に『裏窓』に『ロープ』と俺の好きなヒッチコック映画を一本で全部やって音楽もバーナード・ハーマンにやってもらったけど、どう?という監督のドヤ顔が目に浮かぶような本作だが、決して亜流とはならない>>続きを読む

ジャッキー・ブラウン(1997年製作の映画)

4.5

久々に再鑑賞、最高だ...。
ブラックスプロイテーションもそろそろ開拓しないと。

奇跡(1954年製作の映画)

4.5

ドライヤーは超常現象を説得力を持たせて撮ってみせる点で世界一の監督なのかも知れない。
画面に映るのは至って普通の農家の日常風景。それでも荘厳と静謐を湛えた画面作りの積み重ねによって奇跡が本当に起こって
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