このレビューはネタバレを含みます
【注意】
今回はガッツリとネタバレを含みます。
見たくない人はお帰りください。
この作品んは、構成が凄く好きだった。
まずは私なりの分析
【起】
何でも頼まれたら断れない、お人好しの優しすぎる主人公。
困っている女の子を助けようとして家に招く。
そこで敵に襲われて一旦逃げる。
逃げた先で、世界観の説明(※設定)とこの作品の目的が母を探すこと(目的地日枝神社まで行くこと)だとヒロインから述べられ、手伝って欲しいと頼まれる。
頼み事を断れないお人好しの主人公は、彼女を手伝う形で二人の冒険が始まる。
※小鬼=自分の思っていることを隠している人から出る。
隠の郷=鬼が住む町。ヒロインはそこから母を探すために来た。
【承】
1.ヒッチハイク編
乗せてもらったお礼にフリマを手伝う。
断り切れない性格ならではのエピソード。
2.旅館編
怪我をしたヒロインを休ませるために働く道を選択する。
3.カフェ編
敵の正体が分かる(ユキノカミ)
雪を降らせて郷を隠す神という存在
4.ユキノカミとのバトル
5.日枝神社編(父と再会/母の失踪には謎がある)
喧嘩別れして、ヒロインが「隠の郷」へ主人公を助けに行く流れに。
6.隠の郷編
隠の郷の奥にある社、鬼ヶ島の存在とユキノカミのより代、神成の面の話を聞かされる。
それは人間から郷を隠すための物
鬼の正体は自分の気持ちを隠す者
鬼を襲うユキノカミを倒すと郷を隠している効果がなくなるという問題
【転】
「自分の気持ちも同じくらい大事にしたい」と気付く
「何をするにも周りに合わせてばかりでした」というのは【起】でのアンチテーゼ
気持ちを知った町の人たちが凄く協力的になる。
ラストバトル
「母の回想」
母親の「娘に対する想い」と「郷を守りたい気持ち」が語られるが、結局は「闇落ち」している。
「私は1人じゃなかったから大丈夫だよ」と言う台詞からこの作品は「家族や友達の大切さ」を語りたかったんだろうなと分かる。
そう言う意味では「私ずっと寂しいって思い込んでた」と前の台詞で言っちゃってるけど、最初の「母を探しに一人で旅立つ」と言うのはアンチテーゼな訳か?
【結】
「隠の郷」が平和を取り戻し、主人公が元の世界に帰る。
父と話し合い、家族の良さを確認する。
これまで出会った人たちのその後がワンカットずつくらい描かれる。
そしてエピローグの様に、二人が再会するところで終わる。
【世界観設定に】
観終わってから考えてみると「主人公+ヒロイン」と言うより「ダブル主人公」という感じを強く受ける。
母を探すと言う目的のために展開する「冒険譚」で※マルチワールド性を採用している。
※マルチワールド=作品の中に複数の世界が存在し、作品ごとに制約はあるものの行き来が可能。
(例) ●時間差(未来/過去)のマルチワールド
ターミネーター や ドラえもん
●死後の世界
BLEACH や リメンバー・ミー
●夢の世界
インセプション
●電脳(仮想)世界
マトリックス や SAO
この作品は以上にとりあげる様な「複数の世界」を持つ設定で、それが現実世界に加えて【隠の郷】である。
この作品の【構成】【世界観の設定】などは創作する者にとって参考になる部分がかなり多いと感じた。