IkTongRyo

劇場用再編集版 ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOPのIkTongRyoのレビュー・感想・評価

3.9
和田竜二騎手がJRA通算1500勝を達成した記念すべき日に鑑賞。
テイエムオペラオー号も天国で喜んでいることだろう。

1999年のクラシック三冠という史実に沿った、挫折を乗り越え栄光を手にする、苦しい映画。

勝つウマがいる一方で、負けるウマがいる。ウマ娘はそんな”負けるウマ”に焦点を当てて物語を構成するのに長けている。

・テイエムオペラオーが世紀末覇王へと進みはじめる物語
・アドマイヤベガが死別した妹を乗り越える物語
・そして、ナリタトップロードが頂点に立つ物語

3人の立場を通じて、”ウマ娘たちは何のために走るのか?”というテーマを論じており、ただ可愛く楽しい作品ではなく、現実世界の競馬にも通じる一段深いストーリーにまで落とし込んでいる。

そして各々の顛末/レースの結末がどうなるのか史実を知っているからこそ、観るのが辛い部分もある。

アドマイヤベガはゲーム版よりもはるかに重いストーリー展開。これもアニメならではの演出だからこそ成せる技。

それでもスポ根溢れる熱いストーリーと、手に汗を握るレース展開でスクリーンから眼が離せない。


ゴールドシップたちのいるTVアニメ版とは違い、おふざけがほとんどない徹頭徹尾シリアスな作品。本当にあの明るい『ウマ娘』か?と思ってしまうほど。お笑いポジションを築いているテイエムオペラオーでさえ悔しい顔や焦る顔が頻繁に出る。

私が最も好きなウマ娘、オグリキャップとメイショウドトウの二人、そしてライスシャワー&ハルウララのコンビがちょっとしたギャグをいれるくらい。

申し訳程度のウマ娘”プリティーダービー”らしい要素にほんわかする。これがないと100分が苦しい。カレンチャンなんて最後までシリアスなヒロインポジションだった。


劇場での上映がくると信じて、あえてYouTube配信版を観るのを避けていたが、正しい判断だったようだ。しかし公開2日目で特典が全滅だったのはショック😩
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