一年に一日、完璧な気温と湿度で、最高に気持ちのいい日がある。こんな日が毎日つづいたらなと思う。それとは逆に、パラノイア的な悲しみに囚われて、やることなすことすべて裏目にでて、導かれるように必然的に最悪な行動をとってしまう日もある。
開けてはいけない扉を開けたり、覗いてはいけない部屋を覗いたり、触れてはいけないものに触れてしまったり。
なぜ?と思うけど、原因と結果のような因果や答えはなくて、ただ、そうなるべくして、そうなってしまうだけ。
この映画は、愛と信仰にまつわる自己犠牲と支配の関係を描いた悪夢のような寓話で、この残酷的な構造に翻弄される登場人物をどうも他人事とは思えなくて、(この映画で泣くのもどうかと思うけど)なんだか終始泣けてしまった…