前髪メガネ

サユリの前髪メガネのレビュー・感想・評価

サユリ(2024年製作の映画)
4.1
お家に帰ってから声に出したくなるあのおまじない。元気はつらつ〇〇満々!

念願の一戸建てに引っ越してきた神木家。夢のマイホームでの生活がスタートしたのもつかの間、どこからか聞こえる奇怪な笑い声とともに、家族が一人ずつ死んでいくという異常事態が発生。神木家を襲う恐怖の原因は、この家に棲みつく少女の霊「サユリ」だった。一家の長男・則雄の前にもサユリの影が近づき、則雄はパニック状態に陥る。そこへ認知症が進んでいるはずの祖母・春枝がはっきりと意識を取り戻して現れ、「アレを地獄送りにしてやる」と力強く言い放つ。則雄は祖母と2人、家族を奪ったサユリへの復讐戦に挑む。

とんでもなく面白かった!!

原作未読ですが押切蓮介さんのマンガは何作か読んだ事がありその独特な雰囲気が好きですが、本作もその雰囲気が結構再現できてるような気がしました。未読ですが。

前半の不穏感と後半の爽快感、同じ作品なのに二層仕立てになっていてその味変がたまらなく最高である意味でパフェを食べてる様な感覚。

前半の不穏なパートもしっかりと作られていて、所謂綺麗なJホラーであのままの雰囲気でも十分にホラー作品として完成したと思う。
認知症で譫言ばかり言うおばあちゃんや新居の雰囲気を怖がる弟もとてもホラーの雰囲気を作ってて良かったし、
若くして幅広い役を演じきる森田想のいいお姉ちゃんからの取り憑かれたギャップはホント最高だった。
主人公でもある規雄は頼りない感じでは合ったが力強い味方を付けてからの佇まいは良かった。
おばあちゃんぐらいもっとオーラが変わったらもっとすごかったとも思いもしたけど最終決戦での動揺とか観るとあれで良かったとも思う。

サユリもとい悪霊に退向かうために内側から気持ちから勝ての理屈も良かったしそこから出た則雄の魔法の言葉はまさかすぐてそりゃ引きこもり喪女霊には効くわと笑っていたけど、サユリのバックボーンが見えてきてからはなんか気まづかった。

というかサユリの生前が壮絶すぎてサユリを応援したくもなるという不思議展開に持って行かれた時は作品としての奥行きがグッと広がって後半で全く新しい味が出てきたことに驚き。
序盤でパフェに例えましたが底まで食べた頃に実は器も食べられたと気付いたようなそんな感覚。。

見終わった後は爽快感で満たされました。

ホラーが平気ならおすすめしていきたい一作。
特にマリグナントの様な味変ホラーがお好きな方には必見です!!
前髪メガネ

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