新居へ越してきて数ヶ月足らずで、「サユリ」の呪いによりほぼ全滅してしまった一家。残された息子が、なぜか覚醒した激ツヨお婆ちゃんの指示を仰ぎ「命を濃くして」幽霊に立ち向かう。連射される白ゲロ、役立たずな霊媒師、落書きレベルのCG、物語の時空間を捻じ曲げてしまえるチート級の霊能力者。白石節が大炸裂する合間に垣間見えるストーリーのグロテスクさに言葉を失した。性的虐待が生む殺人という絶妙にあり得そうなラインで舞台設定を整えてく感じ、ずるいよなあ、、深夜に一族郎党の者たちと鑑賞。昨夏の劇場公開は見逃したけど、人とワイワイしながら観るのはそれと変わらぬくらい良き体験でした。「新機軸」を打ち出したファニーな心霊映画がちらほら見られる昨今、白石晃士はやはり年季の入り方が違うなと感じた。たとえば、階段の踊り場で明滅するライトの下で起こる殺人を、少し引き気味の位置にカメラを置いて1分くらい長回しで収める演出は特に見事だったな。本当、怖いところはちゃんと怖いんだから。