本当に下品。でもこの荒々しさに抗えない。これは食事制限をしているときに大盛りポテトフライを注文してしまう背徳感に似ている。
リアルなパペットではないのに、妙に生々しく感じる。それは作者がフェチズムとリビドーを持って創作をしているからであるような気がする。こういうものには、観たくないのになぜか観てしまう魔力のようなものが宿っている。僕はこんな作品は好みではない。そういって手で目を覆ったけれども、その手の隙間からこの光景を凝視している。そんな感じがして居心地が悪い。
そして、物語の展開は常に不条理で常にスカされている。画面の裏に作者の悪趣味なニヤニヤ顔が透けて見えるようだ。

言いたいことはたぶん欲求についてなのだろう。食欲は性欲と繋がっていて、性は死とも隣り合わせに在る。絶頂は死の瞬間に似ているのかもしれない。そんなことをなにも難しい言葉も使わずに、ただただおバカなコメディで伝える。
でも、こうやって本作の意味を深読みしてもなにも良いことは無い気がする。この作品はこういう意図だと真面目に語ったところで、多分作者にせせら笑われるだけな気がする。
「ね？　バカで下品でしょ？」
そう言って、笑って終わらせるのがこの作品の唯一の正解である気がする。その答え自体もすべて作者の術中にハマったようで、ものすごく悔しい。

虫による人間的な性欲の発露。
悪趣味系下ネタストップモーション。
よだれ垂らしてるような喋り方のアフレコとか異なる種族に欲情する描写とか、日本の同人誌的な傾向がある。

砂漠のあるダイナー。エロいケツを持ったモグラのシェフに好意を持つウェイトレスのハエ、昆虫・動物の客らの欲望と生（性）活について。全編ストップモーション。気持ち悪いかどうか微妙なラインを突くパペットを使い、リアル（アダルト）を表現する。短いながら2つの意味で盛り上がる。

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