映画監督を目指すも創作に行き詰まった女性が、ある少女との出会いをきっかけに狂気にとらわれていく…
コレはたしかにホラーというよりも、“クリエイター残酷物語”。主人公自身、才能が無い事を自覚しているだけに余計にキビシさが増すし、むしろそちらの方がホラー。“盗作”で揉めたり、師弟(母娘)間での確執も描かれていたり、終盤への伏線も張られていたりとプロット的にも結構しっかりとしていた印象。
“謎の少女”の存在感のある生意気な感じのお芝居も良かったが、なんといっても主人公の後半、クライマックスでの危機迫る表情が、それまでのお芝居と全然違っていてビックリしたし、巧いなぁ…と唸らされた。
今回鑑賞した劇場は、今作の配給をした会社の直営の劇場だったので、本編に登場したホンモノのプロップ(人形)が展示されていて、それもまた良かった。鑑賞後に改めて見ると「おおおっ」と感慨が増す。
「JUNK HEAD」や「オオカミの家」といった近年公開されたストップモーションアニメ作品を鑑賞するたびに感じていた、作品そのものよりも、製作者の狂気というモノを改めて思い知らされた作品。