このレビューはネタバレを含みます
「緋色の街」に続き、ユーネクストで鑑賞。
最後の、民衆が連携して集団でゲシュタポに立ち向かっていく様に感動した。また、それに至るまでの緊張感やユーモアにも隙がなくてよかった。
ラスト10分ほどは、それまでの緊張感や面白さとは打って変わって、一気に戦時中の人間の残虐性を感じた。ゲシュタポの警官があたかも殺しを楽しむかのようにチャカを殺す。結局主人公の父親も意味もなく殺されてしまう。そして「NOT THE END」。この幕の閉じ方には思わず拍手をしたくなった。
反ナチス映画は数多く存在し、本作も含めてそれぞれがどのくらい史実に近いかは分からないが、監督自身が亡命したユダヤ人であるということが、この映画のメッセージ性、特に途中に出てくる人質達の「Keep it burning~」という言葉、そしてラストの「NOT THE END」に深みを増すだろう。
まだまだフリッツ・ラング作品は詳しくないが、光と影の使い方、1カット1カットのテンポの良さ、表情やものの映し方・カメラワークに痺れた。