次第に狂気じみたものに囚われる家族たち…
小説家のジャックは冬の間コロラドにあるホテルの管理人を任せられることになるが、どんどん様子がおかしくなっていき…
スタンリー・キューブリック監督作品。今作はキューブリック監督が撮ったホラー映画ということで、左右対称を意識した美しき絵面が素晴らしい画面に魅了された。こちらは通常版だが見る前に長い北米版を鑑賞していたので相違点としていろんな場面を省いて見やすくはなっているが、キューブリック監督らしくないディゾルブの多様によってかなり違った印象を受けたのは間違いない。
しかしやはりキューブリック監督が描く人間の無機質さが際立って恐ろしい。登場人物たちが次第に狂っていき幻覚を見ていくのを情緒感無視で冷ややかに写していくのは実にキューブリック監督らしい。ラストにかけての展開はBGMの奇妙さも相まってとてつもなく君が悪い体験を生み出してくれるようだ。
結果的にはしっかりと描かれている北米版を推したいが、初めてみる方にはやはりこの通常版がよろしいだろう。
