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シャイニングのmariのレビュー・感想・評価

シャイニング(1980年製作の映画)
4.5
なぜこの作品が世界で最も怖い作品と言われるのか?全然怖くないと思う人もいると思う。おそらく世間のほとんどの人が怖い映画を教えてと聞かれたら、叫び、ビックリし、怖いと感じたことがある映画を挙げるだろう。では、驚き、叫ぶことだけが怖さなのか?そもそも怖さとは?この作品の恐ろしいところは、"現実にあり得る"というところだと思う。ジャック・ニコルソン演じるジャックというキャラクターについて、彼は冬の間ホテルにこもることにより、外界・社会との関わりが遮断されている。それがいかに恐ろしいことだろうか。彼は物書きで、空想の世界の物語を創造している。そして彼にとっての世界は、その物語上の世界と、ホテルという2つの世界しかない。そしてこの状況が長期間続くことによって、現実と空想の世界の区別がつかなくなってくるのである。これは現実世界でも起こりうる可能性は十分にある。そしてその結果、ジャックは幻覚を見たり、家族を襲ったりと、完全に頭が狂ってしまったのである。現在の日本では"ひきこもり"というものが問題になっている。彼らは社会との関わりが遮断されているとも言える。それがいかに恐ろしいことか、この作品を観ればわかるはずだ。
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