しらこ

シャイニングのしらこのレビュー・感想・評価

シャイニング(1980年製作の映画)
3.7
キューブリック節全開!
といってもキューブリック作品は今回で2作品目。

だけど、その凝った映像を観たら、音を聞いたら、そう思わずにはいられない。
印象的だったのは、基本的にシンメトリーな画になってること。
あとは、上手くは説明できないけど、鏡がストーリーの所々に出てきて、鏡を経由して何かを写したり、文字を反転させていたり、鏡がまた別の世界を写しているような撮り方をしていたこと。
ダニーがおもちゃの自転車でホテル中を移動するシーンの、音の変化が忠実なこと。
その他諸々脳裏にこびりつく印象的な描写の数々が、ホラー映画の金字塔と呼ばれてることを納得させるし、感嘆するばかりである。素晴らしい。

誰もいない静かなホテルという舞台もまた、無条件に怖さを増していて、これでもかってくらいのスリラー効果音。常に緊張。だけど、その音の割に怖いことが起きていかないそのギャップに徐々に免疫がついていくことは果たしていいのだろうか。ちょっと疑問。少なくとも私はあまりに過剰な効果音が後半足枷になっているのではないかと、思った。
また終盤はただの鬼ごっこじゃないか?と思ったし、前半ほどの凝りは感じられない。けれど奥さんの恐れおののく顔、狂った主人公、必死に逃げ惑うダニー。見応えは十分にあった。

幽霊云々ではなく、人間本来の恐ろしさ、狂気じみたものに焦点を当てているキューブリックがすごい

ホラーというかパニック系と言った方がいいかも。
それ以前にホラーらしいホラーを楽しみたいと思ってる人は少しそれとは違うこと了承した上で観ましょ。
しらこ

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