このレビューはネタバレを含みます
ホラーとはよく知らず…試写会で鑑賞。
面白かった!
ホラーというよりグロテスクなシーンが多く、目を覆いつつ観た。
若く美しく性的魅力のある女性が、権力の持った男性(そして観衆)から持て囃されるという構図は世の中に溢れている。
映画でそのグロテスクな構図を見せられるわけだが、ラストのモンスターに化した主人公のエリザベスの姿が世の中のグロテスクさの具現化のようにも感じられた。
ラストの大晦日のショーにて辺り一面血の海になるが、エリザベスがグロテスクな世の中に報復しているようにも思え、"怖い"を超えて痛快さも感じ笑ってしまった。
物語では若さと美を一時的に得られることで欲望が加速していくのだが、途中で「今も1番かわいい女の子だよ」と賞賛してくれるかつての同級生フレッドが現れる。
容貌の美しさだけでなく、そのままの自分を好きでいてくれる人を大事にした方がいいことは分かっているはずなのに、若い自分の分身であるスーと自らを比べて外出出来なかったシーンは切なかった。
しかしラストの彼女の晴れやかな成仏できた…といった顔を観ると、これはこれでよかったのか…?という気持ちにもなる。
若々しく美しくなければならない、という女性への呪いは日々自らも感じるが、若さや美貌を賛美しすぎないようにしたいと思う映画でもあった。
そしてこがけんさんが「S級のB級映画」と称していたが、納得。
デミ・ムーアがこの役をむき出しになって演じていたのがとにかくすごい。