湯っ子

ナミビアの砂漠の湯っ子のレビュー・感想・評価

ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)
4.5
登場からもう釘付け。カナ!ていうか河合優美!よい!好き!魅力的すぎてずーっと見てたい。予測不能の行動、しなやかで自由な身のこなし。
カナが観ている動画がナミビアの砂漠なのかな。オアシスにシカみたいな動物たちがやってくる。カナはこの動物たちに、なんらかのシンパシーを感じているのだろうか。
21歳のカナ。「日本は少子化と貧困まっしぐらなので、残された目標は生存あるのみです!」みたいな台詞がある。これを言わせているのは他でもない私たち大人だってことを自覚せにゃならん。カナだって本気でこの台詞を言ってるわけじゃないと思う。でも私たちだってそうじゃないか、わりと軽い気持ちで悲観的なことを言って若者にマウント取ってる。子供や若者たちは、その時代の大人たちの鏡だ。今時の若いもんはって言うけど、それあんたの育てた子ですよね?実の子ってわけじゃなくても、大きな意味で。
めんどくさいこと嫌いそうなわりに、取っ組み合いのケンカという最高にめんどくさいことをやってるカナ、それに本気で付き合ってる新カレ。ヤバい女とややロクでなし男はお似合い。
元カレはカナに完全服従していた。これは2人の間にあった過去の出来事に関係しているんだろうけど、服従ってことは、まっすぐに向き合ってくれていないってことだ。それがカナにとっては不満だったんだと思う。
ぶっ飛んだヒロインではあるけど、少なからず共鳴するところがあり、刺さるものがあった。監督はじめ、この若い才能たちを育てたのも私たち大人なのかもよ、と、勝手に悦に入ろうではないか…、
湯っ子

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