河合優実の時代。こんなに主演の格と華を兼ね備えて20台前半で既に個性派で演技派で性格俳優なのは満島ひかり以来じゃないか。
ここではないどこかを志向し揺れ動く若者のスライスオブライフ。オープニングの人混みのズームアップから引き込まれる。喫茶店で友達の訃報を聞く時の「あ、縮毛矯正の?」とか、紙ストローを嫌がるとか、ノーパンしゃぶしゃぶの話に耳を引っ張られるとか。些細でくだらない、少しだけ身につまされるあるあるが積み重ねられる。
全ての瞬間が憎たらしくて愛おしい映画がはじまるよ、と。
誰かと一緒にいる時は「構ってほしい」「こう見られたい」の自我が目立ってわざと演技臭く、1人でいる時はゾッとするほどの自然体。出すもの全部出してることにも意味がある。
河合優実がど真ん中にいる代表作がついに出た。
今見ないともったいない。