大島育宙さんの映画レビュー・感想・評価

大島育宙

大島育宙

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リンダ リンダ リンダ(2005年製作の映画)

4.5

映画館で初めて観たかもしれない。
映画館で観るための映画だと気づけた。

山下敦弘はやっぱりすごい。
役者とカメラを全幅に信頼している。
良い意味で、カメラが回ったが最後、
ほとんど何もしてないのでは
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章(2015年製作の映画)

3.1

このシリーズはファニーにポップになるパートよりも地に足がついた場面での雑でリアルなバイオレンスが怖い、やっぱり。

今回は後半の展開よりも田代が自傷したり、公園で一線越える加害に追い込まれるくだりが断
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ミスミソウ(2017年製作の映画)

3.3

平成最後のバトル・ロワイアルになりかけたけど、ファイナル・デスティネーション寄りに仕上がった、みたいな怪作。山田杏奈と清水尋也の武闘派、ペシミスティックな性格俳優っぷりを決定づけた、振り返るとかなり重>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-03 人喰い河童伝説(2013年製作の映画)

3.6

決定的な映像が驚くほど映らないのに面白い。

河童にそう立ち向かうのか!という新鮮味。

演者の演技力にばらつきがあって可愛い。

人間たちがめっちゃ殴り合うの面白い。

カラーパープル(2023年製作の映画)

3.9

強度に振り切ったミュージカル、多層的な差別構造の隙間にミュージカルじゃないサスペンスやコメディがテンポよく挟まれてて飽きなかった。

髭剃りのシーンと手紙見つけるシーンのような
集中力をキープしてくれ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.1

ずっと面白くてすごい。この監督の映画で初めて刺さった。小さい珍作よりも大きいエンタメの方が向いてると思う。

ヌーディティが搾取的じゃなく、エマストーン本人がプロデューサーなので安心して楽しめた。
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.5

飛行機の中と試写合わせて3回観たけど3回とも集中力が持たなかった。他人の夢の話は面白くないのと同じで、悪夢を淡々と延々と見せられる、という苦行だった。

しかし、これが1本目だったら知らない人の悪夢だ
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.2

罪な映画だ。
 
映画が必要でなくなってしまいそうな時代に、
映画が必要なんだということを、
土俵際で粘るような映画だ。

これが求められるのもまんまとわかる。
ヴェンダースにマーケティング的な下心は
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名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

-

久しぶりにシリーズ観たけど「男?女?」のトリックは流石にアニメ映画としてダメすぎる。セクシャリティが2択の世界観を子供達に伝えていいと思ってるなら海外のアニメ、グローバルスタンダードとの意識の差はどん>>続きを読む

ロストケア(2023年製作の映画)

2.9

ごめんなさい、
柄本明さん凄い映画だし、
ストーリーは普遍的に面白い構造だけど、
セリフで説明しすぎで心が冷めていく…。
饒舌なのはスイッチが入った後の
松山ケンイチさんだけでよいはずで、
出てくる人
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クレイジークルーズ(2023年製作の映画)

2.4

坂元裕二の書くセリフが似合う俳優、似合わない俳優がいることを絶望的に見せつけられた。これまで我々が観てきたのは、満島ひかりは、松たか子は、永山瑛太は、坂元裕二語の上級者だったことに拍手を送りたい。>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.6

文字通り死ぬほど面白かった…
座頭市+アウトレイジの色濃いからパブリックイメージ的には大クリアだと思うし、
みんな〜やってるかなどのコメディ風味もあるから往年のファンも楽しめるはず!

◆バトル・ロワ
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まなみ100%(2023年製作の映画)

4.1

登場人物の肌の質感までリアル。
青木柚さんの肌の質感、どう撮ってるんだ…

「男の若気の至り」という甘えを特権として振り翳してきた男には泣く資格はない懺悔の映画だと思うが、それにしては鮮やかなエロが過
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(2023年製作の映画)

3.9

石井裕也監督、いつの間にかとんでもないことになっている。磯村勇斗さんが実在犯人にだんだん容姿まで似てくるのが本当にしんどい。

石井監督にハマってるオダギリジョー、
庶民的な中年が初めて似合う宮沢りえ
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リボルバー・リリー(2023年製作の映画)

3.2

ムキムキの綾瀬はるかとバキバキのシシド・カフカとエロエロの古川琴音、それで良いです最高。

綾瀬はるか&シシド・カフカの連携ガンアクションのシークエンスを観られただけで1500円くらいの価値はありまし
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

2.9

情報量が多い映画が好きなフェチの自分なのに流石に閾値を超えて興味がなくなってしまった。マルチバース設定、絶望的に体質に合わない。前半のメインキャラのパートは良かった(これは音楽も映像も前作の延長なので>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.8

めっちゃ面白かったけど「面白い」ことってそんなに偉いんだっけ…?という気持ちが少しだけ勝ってしまった。「新しさ」らしきものに囚われて実は古いじゃんってところがかなりあったが、世の中でまだあまり指摘され>>続きを読む

クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男(2019年製作の映画)

3.5

タランティーノ好きのためのアメトークみたいな映画だった。12人のタランティーノファミリー俳優がこれまでの全作品の裏話を喋りながら映画の本編映像やオマージュネタの映画の場面映像がチャカチャカと流れる。編>>続きを読む

ミンナのウタ(2023年製作の映画)

4.4

清水崇監督やりました!めちゃ怖い!『呪怨』に匹敵する級の繊細で多角的な恐怖をちゃんと商業的な軌道に乗せた上で実現してるの素晴らしい!

Jホラーの主人公は華奢な美少女という「相場」を屈強な男子グループ
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アウシュヴィッツの生還者(2021年製作の映画)

4.0

収容所の中でのナチス将校によるユダヤ人デスマッチボクシングという最悪な設定がそのまま戦後にボクサーになるスポーツ映画に変化するのだから、実話かどうかを知らずとも劇映画としてかなり面白い。

しかし、ボ
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ヨーロッパ(1991年製作の映画)

4.2

トリアーっぽくない骨太名作路線と思いきやよく観るとしっかりトリアーっぽい身体描写もあるお得な映画。意外と万人に薦められるトリアー映画はこれかもしれない。

1991年の映画なのに敢えてモノクロで撮られ
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イノセンツ(2021年製作の映画)

4.1

大友克洋『童夢』にド直球影響を受けたことは言われなくてもわかるくらい色濃い影響なのだが、受ける印象は全く違う。

子供の無邪気さ=邪悪さ、というホラーのモチーフ自体は伝統的だが、ズバ抜けて繊細なところ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.9

朝イチの回で鑑賞。複数鑑賞後、加筆可能性あり。

キモカワクリーチャーや動物群大量出演、落下や飛行のモチーフ連打のアニメ的快楽に溢れた映画だった。鳥の群、カエル苦手な人は要注意かなあ。自分は好きなので
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しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜(2023年製作の映画)

4.1

※試写にご招待頂き鑑賞。公開後追記するかも。

大根仁監督・脚本の力強さをまじまじと感じた。
クレしん映画にお馴染みの玉石混交なオマージュの乱れ打ちに加えて、現実のニュースを連想するような社会からこぼ
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

4.1

(※公開後追記)交換不可能な相手と親密であれることは何ら恥ずかしいことではない、むしろ誇るべきことである、という当たり前を、大人の社会が子供の感性に教えられていないことが切実な問題だ。今扱われるべきテ>>続きを読む

らせん(1998年製作の映画)

3.5

この頃の中谷美紀の色気は異常。撮る監督、撮る監督が魅了され過ぎてバランスを崩している感じがして面白い。

同時期のJホラーと比較すると恐怖描写の尺そのものがだいぶ少なく、ジャンルで言うと「スリラー」と
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

3.9

冒頭の、ひとつひとつゆっくりゆっくり小さな命を丁寧に救っていくシークエンスが素晴らしかった。泣きそうになった。コメディとシリアス、日常と緊急事態、スピード感とスロー感などあらゆる対比が立体的な素晴らし>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.5

複雑なものごとを、複雑な問いを、複雑なまま届けられるのが映画だということを信じ続ける是枝裕和監督が、テレビドラマの領域を拡張してきた坂元裕二の設計図で組み立てた魔殿。

人の事情や内心はわかるわけがな
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.0

爽快でわかりやすくて優しいのに、
残酷でもふざけてもいる。長いけど仕方ない!

1作目からリアルタイムで体験してきた割にはそこまで思い入れがなかったけど、ロケットにフォーカスしてくれたおかげで遡及的に
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最後まで行く(2023年製作の映画)

4.5

ああ最高に面白かった。韓国オリジナル版未見。
毎シーン毎シーンがルールのわかる・ヤバさもわかる限定状況サスペンスで、それらが数珠繋ぎになって大きなストーリーになってるのに羅列感は全くない。良い意味で新
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フリークスアウト(2021年製作の映画)

4.3

とてつもなく面白かった。
ダラダラと長いのだけ弱点だけどそれも味に感じられるくらい、使い古されてきたテーマへの光の照らし方がことごとく新しい。

ナチス映画として意外ととても解像度が高い!
掴みでヒト
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ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

3.3

ほぼリアルタイムで大体追いかけてるけど誰が誰だか覚えてないし死んだ人が生き返ってなんでもアリなので予習とか復習とかはしたければすれば良いけど報われようとしてやるとバカバカしくなるようなものだと思われる>>続きを読む

呪怨(1999年製作の映画)

4.5

何度見ても完璧な幕開け。白昼が怖いのが偉業。

シーンごとに振りが丁寧でなめらかで、
その流麗さに惚れ惚れする。

家族でない者がその家に取り残される理由をスムーズに作ったり、後で嫌なタイミングで鳴る
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犬鳴村(2020年製作の映画)

3.3

『忌怪島』(村シリーズとは関係ないので本当は予習不要)に向けて自己満足のために再見。

今見返すと『呪怨』から引き継がれてる清水崇的なモチーフと言うか癖が幾つもある。電話ボックスの中での悲劇とか、動物
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海街diary(2015年製作の映画)

4.4

『怪物』に向けて何度目かの鑑賞。

会話と五感と衣食住の描き込みだけで
永久に観ていられる映像群。

いきなり服装が変わって季節の変化がスッとわかったり、ややこの姉妹には似つかわしくない口癖が(「アレ
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