大島育宙さんの映画レビュー・感想・評価

大島育宙

大島育宙

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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.4

初日劇場。雨だったからか8割くらいの入り。
仮面ライダー知識ほぼなしの丸腰で観たけど、
意味がわからないところも置いてけぼりなところもなく、初心者に親切に作られてると思った。楽しめなかったとしてもそれ
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.6

カットごとに質感も見せ方も目まぐるしく変わる演奏シーンが傑出していた!サックスの曲線的な表面に照明が乱反射してカラフルに輝くのとか凄い。思いつかないレベルの見せ方が矢継ぎ早に。聴衆や演奏者の眼球の揺ら>>続きを読む

エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.4

賛否両論出るのは百も承知で作ってる感、
私は大いに応援します!もちろん「賛」です!

思ったよりも当たっちゃった、意外と偉大な前作の続編を「視覚的に目立つエクスキューズあり」の「前日譚」にした計算高さ
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セブン(1995年製作の映画)

4.9

何回観ても面白い。何回観てもしんどい。

あの人が最初から、
ああならないなら必要ないくらい、
しっかり描かれてるんだよなあ…。

ラストシーンのブラピの何度も顔を背ける演技が凄まじい。実在感のある人
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.2

とてつもなく面白いのはわかる。
現代的な母娘関係に泣けるのもわかる。
石のシーンでは泣きそうになった。
アジア人メインのど真ん中エンタメは熱い。

が、どうしても一定以上の味がしなかった。

面白さも
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水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)

3.4

今の広瀬すずを記録することにめちゃ成功していると思った。年下や末っ子や若者側の役ばかりな彼女が明確に「年上」「お姉さん」側を演じるという意味では挑戦だけど、全く不安なところがなかった。ちゃんと不機嫌な>>続きを読む

ハプニング(2008年製作の映画)

2.9

公開当時の中学生の自分としては、なぜこんなに不評なのかピンとこなかったが、15年経って見直してみるとなるほどマヌケな映画だ。

冒頭の自殺大喜利をピークに、
ほどなく失速してそのまま終わる。
撃たれた
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.6

スピルバーグにはもう誰も勝てないわ。抜かりない。
前半は家族、スムーズにスライドして学校を、
それぞれ舞台にした「映画を撮ること」を巡るサスペンスが持続する。

いずれも「映画を撮ることの業・罪深さ」
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いつか誰かが殺される(1984年製作の映画)

2.0

ゴリゴリのエンタメだ!と楽しみに見始めたが中盤で謎解き&サスペンスそっちのけのメロドラマに失速。何が何だかわからないまま終わった。

尾身としのりがいるパソコン部屋が黒沢清映画の感じでよかった。
80
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豚の報い(1999年製作の映画)

4.2

崔洋一追悼上映で初見。掘り出し物!

「沖縄の豚小屋で生まれた青年が、
豚に襲われ魂(マブイ)を落とした女とその友達と、
女三人男一人で厄落としに故郷の島へ向かう」
という、あってないような推進力の弱
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.3

これは快作だ!『フレンチアルプス』『ザ・スクエア』でやりたかったことを更に大規模に成功させた監督の作家性に拍手。どこまで人をバカにしていくのか、今後の作品も早くも楽しみ。

中盤のスラップスティック(
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Aサインデイズ(1989年製作の映画)

4.1

崔洋一監督追悼特集で鑑賞。

返還直前の沖縄で音楽と水商売に生きる人たち。
「キチガイ」という言葉が飛び交う。
ギターで米兵の後頭部をフルスイングするバンドマン。

画面から溢れるエネルギー。
なんで
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対峙(2021年製作の映画)

4.1

監督にインタビュー。
俳優出身の監督だとは知っていたが、
『キャビン』に出てるのは後から気づいた!

事前情報ゼロで見初めてぐんぐん引き込まれた。
非常に演劇的だが、表情にズームしたり、
カメラが揺れ
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.2

悪しき名ばかりの伝統主義にクソを喰らわせるためにはどんな手を使ってでも伝統の中で成り上がるのだ、という至極真っ当で現代的なフェミニズム映画。他方、復讐の方法は「やられたら力でやり返せ」という原始的なと>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

-

申し訳ない!私の感性は届かず…!

スリラーとして見始めてしまうと
「あれ、意外と何も起きない時間長いな…」
とどんどん興味が離れて行ってしまう。。

かなりわかりやすいショックシーン以外は
目と心が
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オクトパスの神秘: 海の賢者は語る(2020年製作の映画)

3.7

PCの画面で観てても映画館みたいな集中力で観られた珍しいNetflix映画。

博士の心情や途方もない行動力が細かく描かれるから、これドキュメンタリーじゃなくても信用できるなと思った。

海洋生物はた
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#マンホール(2023年製作の映画)

3.9

悔しいけど面白かったーーー
冒頭の「ジャンルムービー始まったよ〜」感満載のガチャガチャカット割りまくるパーティシーンからもう◎。

9割近くずっと一人芝居の中島裕翔が良過ぎる。
ネット中毒のバキバキの
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バビロン(2021年製作の映画)

5.0

完璧な映画。好き過ぎてズルして試写2回観た。
(※厳密にはズルではない)

轟音のジャズが耳から離れない!
過剰に生きる人たちと比べて自分の生活がつまらなく感じる!という副作用が生じるくらい。

「映
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Sin Clock(2023年製作の映画)

3.6

タクシードライバー窪塚洋介×ノワールサスペンス

俳優陣みんな最高!
特に坂口涼太郎さんヤバい。

最後まで何が起こるか分からず楽しめた。

主人公(窪塚洋介)が前の会社をクビになるまでの直接的じゃな
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FALL/フォール(2022年製作の映画)

4.0

全然出オチじゃない!

降りるための作戦も、
その結果見舞われる不運も、
想像の何手か先まで行ってくれて拍手〜!

ツッコミどころかとおもったところも
(全部じゃないけど)回収されるし、

伏線とかで
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グッドフェローズ(1990年製作の映画)

4.9

何度観ても惚れ惚れするような完璧な映画ね。
新文芸坐で4Kで観られて幸せだった。
これが映画だ。

モノローグベースでチャカチャカカットを割っていく凝縮ストーリーテリングはこれ以降下手に真似されすぎて
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北北西に進路を取れ(1959年製作の映画)

4.1

前半はストーリーテリングの引き出しの宝庫!

・地平線が見える荒野のシーン
・オークション会場の発想の転換のシーン

が徹頭徹尾全部超面白かった。
荒野のくだりはアメリカでしかできない!
羨ましい。
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レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)

4.0

試写。大友啓史監督映画で1番好き!
(※公開後加筆予定)

うつけだったギャーギャー喚く信長が、
低い声で喋る鬼になり、
おじさんになり枯れてしまうまでを
シームレスに演じる木村拓哉大天才。

対して
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四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

3.8

配信のシリーズ版との比較まだ。

11年経ってもまだ薔薇色ではないキャンパスライフを繰り広げている彼らを見れるだけで感無量ですね。日常は確かに宇宙と繋がっているという実感と、モラトリアムの永遠っぽさ!
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.9

アニャ・テイラー・ジョイに強い女を代表させるのそろそろやめたれ!記号になってるぞ!

と、言いつつラストシーンあんなモノであんなモノを眺めながら口を拭うのは『金閣寺』みたいで流石にカッコよかった。
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マッドゴッド(2021年製作の映画)

4.3

2022年最後に観た映画!最高!

アバターのCGのリアリティよりこっちの方が生き物に見えます。説明がなさすぎて、言葉のわからない地域の地獄の社会科見学をしてるような感じ。

果たして長編映画がベスト
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RRR(2022年製作の映画)

4.9

書き忘れてた!2022ベスト映画!

暴力革命の肯定との批判もあるけど、
・振るわれてる圧倒的な暴力への抵抗であること
・ラストある人物が求めるのは何か?
の2点からなかなか難しい批判かなと。

個人
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打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993年製作の映画)

3.9

モテキで知って観た時に★2.7つけてた。
10年ぶりくらいに観て良さがわかった。

初恋の象徴みたいな奥菜恵。
花火そのもののように捉えどころなく
儚く消えていく夏の思い出。

どう計算しても再現不可
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.5

三宅唱監督って最強なのかもしれない。

Netflixの呪怨が好きで注目してたけど、
やっぱり映像の手触りと音へのこだわりが異常。
16mmフィルム撮影。

エンドロールの「映画ですよ。ただ観てくれ」
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.9

ホラーとポルノは隣接ジャンルだとして、襲われる主人公女性が恐怖や攻撃とは関係なく服を脱がされる(=安直にポルノ化する)のが普通のことになってる(むしろ古来から様式化してる)中で、最後まで主人公女性が長>>続きを読む

タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.5

安倍晋三を銃撃した彼はSNSで『ジョーカー』に頻繁に言及してたらしいけど、明らかに『タクシードライバー』も観てるしより強く影響受けてると思う。武器の自作から演説を聴く時のポーズまでそっくりすぎる。が、>>続きを読む

恋のいばら(2023年製作の映画)

3.6

試写で鑑賞。

三角関係とかラブコメサスペンスとして売るのは宣伝の正攻法だと思うけど、それ以上に「撮ること/撮られること」という、現代でより切実なテーマがある。大袈裟に言えば『NOPE』、身近な例に照
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別れる決心(2022年製作の映画)

4.4

試写会で鑑賞。

パク・チャヌクがラブロマンスを?と恐る恐る観たが、なかなかどうしてどこからどう観てもパク・チャヌク。鑑賞後の気持ちは復讐三部作よりも『渇き』に近い!(あまり理解されないが、『渇き』が
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エゴイスト(2023年製作の映画)

4.3

試写会で鑑賞。

1ツイートにまとめられたり伝聞で拡散されると批判されかねない人間同士の関係性を、延々と揺れ続けるカメラと鈴木亮平さんの肉体の説得力で「外野にあーだこーだ言わせない物語」としてがっちり
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.7

いろんな感想が目まぐるしく体内を駆け巡ってやまないけど、

まず「目やバストを過剰に大きく描いたり、アニメでしか聞かない種類の声を当てなくても、写実方向のデフォルメの追求でアニメ的快楽は200%得られ
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

3.6

映像的に凄いことをやり過ぎていて、それに慣れると「何が凄いのか?」と麻痺する時間が発生する微妙な時期。3時間10分もやってれば「あれ、で、これ何なんだっけ?」と、水から顔を出すように我に返って当然。や>>続きを読む

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