大島育宙さんの映画レビュー・感想・評価

大島育宙

大島育宙

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F1®/エフワン(2025年製作の映画)

3.9

ずっとかなり面白かったし
ハンス・ジマーの劇伴を快音で聴けて大満足だが
男がアドレナリンのために命を賭ける話は
私はもう新作では要らないかなと思った。

あんまり気持ちがわからないし
かなり「え、やめ
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でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男(2025年製作の映画)

4.3

三池崇史監督久しぶりの快打では!?

奇しくも柴咲コウが同じく怖すぎた『喰女』ぶり
(『喰女』、私は好きだが不人気なので
参考にならなかったらごめんなさいね…)

撮りたいことの核がしっかりあって
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ドールハウス(2025年製作の映画)

3.7

次々に出てくるツワモノ俳優が楽しい!

死霊館、アナベルみたいな人形ホラーの基本をなぞりつつ、Jホラー的な手法はかなりがっつり捨てている?ために恐怖のポイントがクリアになって広く届いてる感じがする。ミ
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ラブ・イン・ザ・ビッグシティ(2024年製作の映画)

4.4

まんまと泣いてしまった。
今の自分が主人公たちと一緒に悔しがったり、主人公たちに憧れたり、主人公たちの関係を自分と身近な誰かに重ねたり、今もどこかで元気にしてるのかな、と主人公たちに思いを馳せたりする
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国宝(2025年製作の映画)

4.5

今年の邦画はこれで決まりかもしれない…

歌舞伎という伝統芸能を知らなくとも楽しめる。

楽屋とステージの彼岸と此岸、
天才と血筋の嫉妬の腐れ縁、
男の一代記の二本立て、
父を超える物語、
任侠と芸能
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ミッション:インポッシブル(1996年製作の映画)

4.2

改めて観てもとんでもなく面白い。
これが最高傑作ではないの!?
「静かにしなきゃいけない」
「体温も上げちゃいけない」
「汗かいちゃいけない」
というヤバい縛りゲーの最後の最後に
「物落としちゃいけな
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クィア/QUEER(2024年製作の映画)

3.1

エンタメだったりアートだったり振れ幅が凄まじい監督でついていけないかも!なんだこの人!こんな監督あんまいなくない?『チャレンジャーズ』がミーハーにも刺さるわかりやすいエンタメだったので「うわあああ、こ>>続きを読む

岸辺露伴は動かない 懺悔室(2025年製作の映画)

3.2

菊地成孔の劇伴を聴けるだけで観る価値圧勝なんですが、ジョジョや過去作を追わなくても単体で楽しめる独自の怪作に仕上がっていてグレイト。大東俊介、井浦新、戸次重幸という濃厚男優のトライアングルが魔的で耽美>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング(2025年製作の映画)

3.3

先行上映でIMAX鑑賞。流石に長いよ〜と思いつつ、集中力が切れても何が起きてるかわかる大味エンタメの名人芸ではあると思った。(と言うか、やりたいアクションから逆算してストーリーを継ぎ接ぎしてるからスト>>続きを読む

サブスタンス(2024年製作の映画)

4.3

私は賛!エイジズムとルッキズムなんて、逃げ切れないけど抗うものだろうが!以上!それ以上掘り下げらんねえよ!と切り上げて、後半〇〇ィホラーに突き詰めていくのが潔くて正しくて面白い!!!

そして何より、
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サンダーボルツ*(2025年製作の映画)

3.4

アメリカの実像にちゃんと近付く力作だったような気がする。マンオブスティールやダークナイト以降の鬱ヒーローのリアリティから、近年のMCUが向き合う「贖罪と癒やし」のテーマに過去最大に踏み込んでたので予備>>続きを読む

6人ぼっち(2025年製作の映画)

-

好きな俳優さんが出てたら見ておくと思い出になりそうな作品です。みんないっぱい映るので。

今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は(2025年製作の映画)

3.0

後半のツイストでもっと議論をしたい。

役者の力をとても信じている監督だからこそ、
『勝手にふるえてろ』『私をくいとめて』のような
主人公一点没入型こそが真骨頂なのかなと思う。

今回は明らかに挑戦で
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プロフェッショナル(2024年製作の映画)

3.2

リーアム・ニーソンの昨今の通常営業だけど、
70年代アイルランドの緊張感や閉塞感が
渋くパッケージになっていた。
北アイルランド版西部劇。

アクションシーンが絞られてまとまってるのと
多すぎないキャ
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サイレントナイト(2023年製作の映画)

3.0

見たいものが見られたはず!

「セリフなし」というコンセプトに全集中した仕上がりが、家族愛をちょっと履き違えた?近視眼的な主人公の危険なマッチョさとリンクしてて、結果的にはすごくまとまりのおるソリッド
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片思い世界(2025年製作の映画)

3.3

核心に触れずに感想書けないタイプの映画。
そういうことかーーー!
しかしあの頃の坂元裕二が戻って来た、と
考えると納得だし『ファーストキス』同様に
日本語圏の外にも
普遍的な人生の物語を届けようとして
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ミッキー17(2024年製作の映画)

4.1

複製人間がかぶってからグググと面白くなりかけた。その辺りのグラインド(折れ目)がピークの二部作という印象。
男女男女が交錯する4角関係のようになるところ
ちゃんと俗でよろしかった。
人間社会が普遍的に
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教皇選挙(2024年製作の映画)

4.2

最高。キリスト教だけの問題ではない現代社会ちあるあゆる組織内抗争の縮図でありプロトタイプな普遍的な物語なので、日本でも忌避されずにヒットしてほしい。独自の予習は実は不要。

『鎌倉殿の13人』の面白さ
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機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-(2025年製作の映画)

-

※リテラシーゼロ感想

前半は何もわからなかった

後半は絵が可愛くて楽しくなった

YouTubeの感想を10個くらい聴いたけど

一から説明してくれる人がいなくて

結局何もわからなかった。大変だ
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ファーストキス 1ST KISS(2025年製作の映画)

4.3

坂元裕二がドメスティックなサブカルネタや日本語の言葉遊びをかなりかなり入念に封印してグローバルに届く物語に仕上げているのがかなりの方向転換で、驚いた!時点を示す新聞の見出しがオバマ!かなり新しい坂元裕>>続きを読む

嗤う蟲(2024年製作の映画)

3.9

田舎村ホラーに食傷気味で「テンプレ表現が早いなあ」と思ってた前半がまんまと…だった。

主な産業がバレてからの必然しかない畳み掛けがナイス!短くまとまってるジャンルムービーは至高!

サンセット・サンライズ(2025年製作の映画)

4.0

菅田将暉の異様な屈託のなさ、空っぽな愛嬌が東京と三陸を移住でふらふらする主人公に馴染みすぎている。宮藤官九郎が出身県を描くからなのか、他のローカルへの目線よりもより深くえぐってて面白い。田舎の嫌な部分>>続きを読む

(2025年製作の映画)

4.8

『騙し絵』で心配になった吉田大八監督、
また極まってきていて頼もしく震える。。

筒井康隆ワールドそのものみたいな映像、
長塚演じる独居老人の一挙手一投足を撮る手つきがそれだけで艶やかで面白いんだけど
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どうすればよかったか?(2024年製作の映画)

5.0

強制的に見させられる映画じゃないとできない
監禁的思考体験。

統合や痴呆への差別や抑圧を減らすには
この映画が流行れば流行るほど良い。

何回も観るには覚悟がいるから
一回の鑑賞を頑張る能動性が生ま
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ビーキーパー(2024年製作の映画)

3.5

暴力が素早くてかなり面白かった。
やっぱりジャンル映画は100分でまとめられる。

敵キャラが説明少なめなのに
個々人のキャラ強くてテンポ良く楽しめる。
ステイサムの後釜のコミカルな奴と、
義足の傭兵
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赤羽骨子のボディガード(2024年製作の映画)

2.9

よくこんなに若くて個性的なキャストを集めたなあ…という一点と全員勢揃いの発端の盛り上がりだけでそれなりに満足できた。若手実力派俳優だけじゃなくてもう売れてるタレントやミュージシャン、芸人、グラビアアイ>>続きを読む

ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

4.2

絵と動きのディテールの積み重ねで泣かされる。
アニメの力をこういう映像でこそ感じる。
多様な人間が並列的に混在できる世界に憧れる。

いろんな動物たちがいるニューヨーク。
アートと音楽に溢れた世界。
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海の沈黙(2024年製作の映画)

3.0

画面はずっと重厚で、
アートの聖俗と肉体のエロスとタナトスを
正面から描いた意欲作。

熟年の名優が勢揃いしてて気魄が濃い。

が、高齢男性の良くない性欲が発露してて
ムムムと食傷に感じる部分も散見さ
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アット・ザ・ベンチ(2024年製作の映画)

4.2

全員野球の自主制作感が滲み出てる。

仕事でやってる感がみんな、ない。

広瀬すずが生方美久のセリフを演じてるのが神々しく、今田美桜と根本宗子脚本の相性に気付かされる。

撮影のムードも脚本に合わせて
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グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024年製作の映画)

3.5

動物と水プッシュのパワーアップ感、
スケールアップ感はわかりやすく過剰で良い。
サメやサイなどのデカい動物よりも、
序盤のヒヒみたいな獣が一番怖かった。

大枠は前作と同じだけど
征服される民なので可
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ヴェノム:ザ・ラストダンス(2024年製作の映画)

2.9

良くも悪くもあまりにクラシカル!
現代的な要素や新作感は皆無に等しい。
カエルとかになる変態っぷりはよかった。
エンドロールの絵見せがクライマックスかも。
音楽のセンスがど真ん中すぎてダサいという
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室井慎次 生き続ける者(2024年製作の映画)

1.9

人の命をこんなにバカにした映画は久しぶり!

そういう意味での周到な胸糞映画だ。

柳葉敏郎さん可哀想、と
最後に立て続けに3段階くらいで思った。

そこまでしないとできないことなら
やらなくていいよ
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十一人の賊軍(2024年製作の映画)

3.3

『孤狼の血』などに連なる東映ジャンル映画ルネッサンスの潮流の中では真っ当で納得の大作。アクションと政治劇を交互に見せて飽きさせない。

アクションの面白さの肝は
①打突感を強調したチャンバラアクション
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SUPER HAPPY FOREVER(2024年製作の映画)

4.5

今年ベストかもしれない。映画が抗わなきゃいけない時間というものに真摯に対峙してる。ひとつひとつの瞬間が切なく愛おしい。120分バージョンから90分に再編集したというだけあってテンポがよく飽きさせないの>>続きを読む