心地の良い説明のなさ。ただ歩くだけのシーンとか北野武映画っぽさを感じました。
何かを目指してるわけでもなくただ生きるだけ。ひたすらに刺激と自分の居場所を求めていて、不特定多数で抽象的な何かに怒っている(ぶつけるのは彼氏)。
自分でも何にイラついているのかは分からないけれど、とにかく周りのことは見下している。
彼女にごめんなさいって謝るときほど情けない男の姿はないですね。(僕もたまにやります)
手作りの冷凍ハンバーグとか朝から虫を手で潰す姿とか、なーーんか嫌な彼氏の姿の再現度が高い。いやダメなことじゃないんだけど、なんか冷めますよね。
生活と人間に根付いた映画だなと思いました。
芝居であることを忘れるほどのリアルなやりとりが続く。とくに驚いたのはお腹が空いたと仕事中の彼氏にゴネて喧嘩するシーン。
彼氏がカナの腹に耳を近づけてお腹は言ってないよと言うシーンだが、カナの怒りのボルテージの上がり方が本物でした。
言われた瞬間は「受け入れフェーズ」で冗談を言われた顔なんだけど、だんだん「噛み砕きフェーズ」になり理解していくと、中絶をさせた可能性のある彼氏に腹が立ち怒りのレベルが上がっていく。この一連の流れが素晴らしかった。