去年スルーしたのを後悔していた作品。
ファーストカットから独特のカメラワークで始まり、カナという1人の女を俯瞰的に俯瞰的に描いている。
言語化するのが難しい…。
ストーリーというより俯瞰的にカナを見る事によってカナや他の登場人物に対する印象がどんどん変化していくのが面白い。
ただ、それも画面越しでの情報でしかないから真にその人らの内情を理解する事は出来ない。なのに観客は目に見える情報だけで憶測して理解した気になっていく。
ワイプが出てきたシーンでカナ自身も自分を俯瞰的に見て「やばいな。私。」となったのかな。
カナがハヤシの過去について咎めるシーン、「なんで関係ないお前が?」と思うけど、日常では無関係の人間があーだこーだ勝手に喋ってる。
カナの病気やバックボーンについても情報が小出しされたらそう推測してしまう。
でも実際のところは分からない。
最初は何をやりたいのかわくわからなかったが、メタ視点をここまで落とし込んでいるのは凄い。