HAYATO

オペラ座の怪人 4KデジタルリマスターのHAYATOのレビュー・感想・評価

4.2
2024年223本目
THE PHANTOM IS BACK!
不朽の名作『オペラ座の怪人』の公開20周年を記念した4Kデジタルリマスター版
ガストン・ルルーの小説をもとにアンドリュー・ロイド=ウェバーが作曲したミュージカル『オペラ座の怪人』を、ロイド=ウェバー自らが製作・作曲・脚本を務め、『フォーン・ブース』のジョエル・シュマッカー監督が映画化。
19世紀、パリのオペラ座では仮面をつけた謎の怪人・ファントムの仕業とされる奇怪な事件が続いていた。若きオペラ歌手のクリスティーヌは、初主演となった舞台で喝采を浴び、幼なじみの青年貴族・ラウルと再会を果たす。クリスティーヌに才能を見いだしたファントムは、彼女に音楽の手ほどきをし、クリスティーヌはファントムを「音楽の天使」と信じ、プリマドンナへと成長する。ラウルに愛されながらも、孤独な魂と情熱を持ったファントムに心をひかれていくクリスティーヌだったが、ある日、ファントムの仮面の下に隠された秘密を知ってしまう。
ファントムを『エンド・オブ・ホワイトハウス』のジェラルド・バトラー、クリスティーヌを『ミスティック・リバー』のエミー・ロッサム、ラウルを『死霊館』のパトリック・ウィルソンが演じ、ミュージカルシーンの歌唱をすべて本人が担当。ロンドンのアビーロードスタジオにてフルオーケストラで収録された。そのほか、『ハリー・ポッター』シリーズのミランダ・リチャードソン、『グッド・ウィル・ハンティング』のミニ・ドライヴァー、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のキアラン・ハインズ、『アマデウス』のサイモン・キャロウ、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのケヴィン・マクナリーらが出演。
公開当時3歳の自分は当然映画館で見れるはずもなく、サブスクでもなかなか配信されなかったのでこれが初鑑賞になった。第77回アカデミー賞では撮影賞、美術賞、歌曲賞にノミネートされるなど世界で高い評価を獲得、日本で公開されると当時のミュージカル映画史上最高の興行収入を記録し、全世界興収の40%以上を日本が占めたという。そんな伝説の作品を大画面で見れる貴重な機会を逃すわけにはいかない。
まず目を引くのがパリのオペラ座を舞台にした豪華絢爛な美術、衣装、装置の数々。特に、高さ5m、幅4m、重さ2.2トンからなるスワロフスキー・クリスタル製のシャンデリアは圧巻。なんと130万ドル以上の価値があると見られているそう。その豪華すぎるシャンデリアに明かりが灯り、モノクロの映像がカラーに染まるオープニングの美しさは格別。巨大シャンデリアが落ちていくクライマックスも実に壮観である。
音楽は、メインテーマ曲の“The Phantom Of The Opera”や“The Music Of The Night”、”Masquerade“など、聴き馴染みのある名曲だらけ。劇場全体に響き渡る美声と迫力満点の音響に圧倒された。
3人の交差する恋愛模様にも見応えがあり、ラウルとエリックという対照的な2人の男性の間で揺れ動くクリスティーヌが最後にどんな選択するのか予想できなかった。不死身のマッチョのイメージしかなかったジェラルド・バトラーの繊細な演技が素晴らしく、陰ながらクリスティーヌを愛したエリックの一途な気持ちに心を揺さぶられた。ああ切ない。
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