実写ソニック3作目。
1、2、3と引き続きジェフ・ファウラー監督が続投で相変わらず作風の癖が強いが原作愛がある。
この監督が何故こんなにソニックシリーズをリスペクトして描いているかといえば、CGアニメーター時代にシャドウ・ザ・ヘッジホッグ(2005)のCGカットシーン制作で関わっている。想像でしかないが思い入れがあるのだと思う。
そして約20年越しに再びシャドウが登場する作品を監督しているのはもはや運命といえる。
本作は兼ねてより人気の高いシャドウが主軸でかなりシリアスな展開になると予想していた。
だが、いつも以上に楽しそうなジム・キャリーの怪演もあり、起こっている事象が重くならないように実写版ソニックらしい楽しい雰囲気を維持している。
ジム・キャリーの演技は力が入っており、一人二役の面白さも熟知していた。
やはりこのシリーズはジム・キャリー無しでは成立しない。
またドラゴンボールのような派手な戦闘が見られるのも良い。
悪かった点は、シャドウのもつシリアスさと実写版ソニックが持っているファミリー映画としてテンションの食い合わせが少し悪い気がしたこと。
個人的には前作がとても好きなのだが、本作は比較してシャドウの描写もソニック側も中途半端で個人的には楽しさが期待を下回ってしまった。
実写版ソニックはバカバカしいテンションかつストーリーも雑なため、ご都合的な展開が続くとどうしても表面的で浅くなってしまう感覚だ。
ただ、これらは前作、前々作も同じ部分はありそもそもそういうシリーズである。
世界中で大ヒットしているので製作陣の判断は正しかったと思う。
続編も決まっているようなので、可愛いモフモフしたケモノたちが見られると思うと幸せだ。
余談だが、最高の場面でシャドウが初登場した『ソニックアドベンチャー2』のメインテーマ曲『Live&Learn』のアレンジが流れたのが素晴らしかった。