おもろい。恐怖よりも不穏さを撮った映画だったから好きだった。冒頭からこれはよさそうだと期待する。木造の自宅の冷たさ。後ろに意味ありげに映るぽかんと空いたドア。セブンのような図書館。空間がもつ不安感を存分に楽しめる。ルックがとにかくいい。おもしろがれるパーツは大量に散らされていた。
確かにまず撮りたい映像があって、そこに肉付けしていくのが映画なら、説明よりもいいショットの連続だったのも納得する。暗号解読の理屈も凡庸な映画ならダラダラ説明してる。自分もおもしろい映像がみたい。物語にそこまで興味はもうないのかもしれないと思った。だから映画が好きなのだろう。あくまで映像がメイン。とはいえ『CURE』や『セブン』を見返してみるとおもしろすぎて比べものにならない。