リミナ

GEMNIBUS vol.1のリミナのレビュー・感想・評価

GEMNIBUS vol.1(2024年製作の映画)
3.5
東宝が才能支援プロジェクトとして立ち上げた、映像形態もジャンルも異なる短編オムニバス作品。
以前にあった同時上映作品を思い出すようでもあり、普段目にしない作品群も自然と観ることになるため、発見もある。
今回はvol.1ということで、続編もあって欲しいところ。


『ゴジラ VS メガロ』3.4
3DCG・VFX面は違和感なく観られた。
ただ、主人公やストーリーがなくどういう目線で楽しめばいいのか分からなかった。
動画配信者や避難住民、メディアのシーンはあったため、人間側から見た怪獣対決のように映像の作りを振り切っても良かったのではと思った。

ゴジラシリーズのフォーマットが分かっていると、また本作の見方は変わるのかもしれない。


『knot』3.4
歪な親子関係と向き合うことをテーマにしたサイコスリラー。
グロテスクな表現はほぼないが、ジャンプスケアで驚かせるシーンはあり。
ミスリード要素もあり、最後まで気は抜けない。
ただ、細かいところで突っ込みどころがある他、初見では必要性がよく分からないカットがちらほらあったため、気になってしまった。


『ファーストライン』3.6
アニメーターがアニメ制作現場を描く構造だけでも面白味がある作品。
デジタル作画が主流になりつつある中、敢えて紙でのアニメーション表現や昔ながらの制作現場の様子を題材にノスタルジックなルックと4:3の画面比率で描く。
同じシーンをアニメーション表現の違い(ポージングやタイミング)で試行錯誤する場面が良かった。

タイトル通り綺麗には終われてはいるが、シンプルにもっと長い尺で観たかった。
ちな氏が次は長編作品を手掛けたいと発言しているため、今後に期待。


『フレイル』3.5
高齢化社会×青春×仮想現実×ゾンビを融合した作品。
短尺でそれらの要素をまとめられているが、時間軸やシーンの繋がりが分かりづらかった。
また、お決まりと言えばそれまでだが、主要人物とモブでの感染スピードの違いが気になるため、編集のテンポで違和感をなくして欲しかった。
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