めちゃくちゃ面白い。『ナイブズ・アウト』が好きな人ならハマる可能性が高い。
あらすじは王道も王道で、アガサ・クリスティーよろしく、パーティーで集まった邸宅で主人が殺され〜、というもの。
本作が本当に優れているのは、「階下」の召使たちと「階上」の金持ちたちとが複雑に入り乱れた人間ドラマ。
ロバート・アルトマンなので風刺がききまくっており、思わず笑ってしまうような滑稽なやりとりの中に人間の本質が描かれており、結構我が身を振り返る。
家事や身の回りも世話をして、情報力も上回っており、完全に依存している状態、もうどっちが主人なんだよって感じ。どれどけ金持ちでも事業に成功していても、「自立」ができてない人は醜いな。
「主」ではないとはいえ、ちゃんとミステリー要素もしっかりしており、真相は驚きとともに物凄く腹落ちするもの。
王道の要素を換骨奪胎した脚本と最高の監督のマッチング、そして多彩なイギリスの名優たちの共演…、構成する要素のそれぞれが最高峰といっても過言ではない映画。